航空法150条5号の4、73条の4第5項、航空法施行規則164条の16第3号の規定について、処罰対象となる行為の決定を私人である機長に委任しているから憲法31条、73条6号に違反するとの主張が、欠前提処理された事例
憲法31条、憲法73条6号、航空法73条の4第5項、航空法150条5号の4、航空法施行規則164条の16
判旨
航空法150条5号の4、73条の4第5項、同法施行規則164条の16第3号の規定は、処罰対象となる行為を具体的に規定しており、罪刑法定主義(憲法31条)等に違反しない。
問題の所在(論点)
航空法150条5号の4、73条の4第5項、同法施行規則164条の16第3号の規定が、処罰対象を機長に委任しているとして、また文言が不明確であるとして憲法31条等に違反するか。
規範
罰則の対象となる行為を機長の命令に委任しているとの主張に対し、法は機長が命令できる禁止行為を具体的に規定しており、その命令違反を処罰対象とする枠組みは罪刑法定主義の要請に反しない。
重要事実
被告人は航空法違反等の罪に問われ、航空法等の規定が処罰対象の決定を私人である機長に委任しており、かつ規定の文言が不明確であるとして憲法31条等の違反を主張して上告した。
あてはめ
法は、航空法73条の3が禁止する行為のうち、機長が命令を出すことができ、かつその命令違反が処罰対象となるものをあらかじめ具体的に規定している。したがって、機長が処罰対象を決定しているとはいえず、また規定の文言も明確性を欠くとは認められない。
事件番号: 昭和60(あ)556 / 裁判年月日: 昭和62年2月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、憲法13条、31条、35条1項、37条3項違反を主張する上告について、実質は単なる法令違反や事実誤認の主張にすぎないとして、刑訴法405条の上告理由に当たらないと判断したものである。 第1 事案の概要:被告人側が、憲法13条(個人の尊重)、31条(適正手続)、35条1項(住居等の不可侵)…
結論
本件各規定は憲法31条等に違反せず、合憲である。
実務上の射程
航空機内の秩序維持に関する機長の命令の法的根拠およびその違反に対する罰則の合憲性を認めた事例。罪刑法定主義における明確性の原則や委任立法の限界に関する論点で、行政上の命令を介在させた罰則規定の適法性を肯定する論拠として活用できる。
事件番号: 昭和46(あ)757 / 裁判年月日: 昭和50年2月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、憲法違反や判例違反を主張する上告について、実質が単なる法令違反や事実誤認の主張に過ぎない場合や、法律判断の当否が結論に影響しない場合には、適法な上告理由には当たらないと判断した。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対し、憲法違反、判例違反、事実誤認、法令違反等を理由として上告を申し立てた…
事件番号: 昭和30(あ)3951 / 裁判年月日: 昭和31年7月5日 / 結論: 棄却
刑法九五条は公務員を特別に保護する規定ではなく、公務員によつて執行される公務を保護するものであるから、論旨は同条の保護法益に関する誤つた見解に立つものであつて、違憲の主張はその前提を欠くものである。(最高裁判所判例集七巻一〇号一八八三頁参照)