租税特別措置法施行令(平成28年政令第159号による改正前のもの)39条の117第8項5号括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」とは、関連者以外の者の資産又は損害賠償責任に係る経済的不利益を担保する保険をいう。
租税特別措置法施行令(平成28年政令第159号による改正前のもの)39条の117第8項5号括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」の意義
租税特別措置法(平成29年法律第4号による改正前のもの)68条の90第1項、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)68条の90第3項、租税特別措置法施行令(平成28年政令第159号による改正前のもの)39条の117第8項5号
判旨
タックスヘイブン対策税制における「非関連者基準」の判定に関し、再保険取引に係る収入保険料が関連者以外の者から収入したものに該当するかは、当該保険が関連者以外の者の資産又は損害賠償責任に係る経済的不利益を担保するものであるか否かにより判断すべきである。本件のように、形式的には非関連者の生命等を対象としていても、実質的に関連者の有する債権の経済的不利益を担保するものは、同基準の算定基礎に含まれない。
問題の所在(論点)
保険業を主とする特定外国子会社等の適用除外要件である「非関連者基準」の判定において、再保険料が「関連者以外の者が有する資産等を保険の目的とする保険」に係るもの(施行令39条の117第8項5号括弧書き)に該当するか否かの判断基準が問題となった。
規範
租税特別措置法施行令39条の117第8項5号の括弧書き(本件括弧書き)にいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険」とは、関連者以外の者の資産又は損害賠償責任に係る経済的不利益を担保する保険をいうと解される。この趣旨は、関連者との保険取引に関連者以外の者を形式的に介在させることで、不当にタックスヘイブン対策税制の適用を免れることを防ぐ点にある。
事件番号: 令和2(行ヒ)303 / 裁判年月日: 令和4年4月21日 / 結論: 棄却
1 法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、同項各号に掲げる法人である同族会社等の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、法人税の負担を減少させる結果となるものをいう。 2 …
重要事実
連結法人である被上告人の特定外国子会社等(NGRE)は、非関連者(AVM)との間で再保険契約を締結した。この再保険の元受契約は、NGREの関連者(NRFM)が顧客に対し、クレジット債権(資産)の保全を目的として、顧客の死亡や失業を保険事故として締結させたものであった。NRFMは優先受益者に指定され、保険金は債権の未償還残高に充当される仕組みであり、保険料も実質的にNRFMの債権額に応じて算出されていた。処分行政庁は、この再保険料は関連者の資産を目的とするものであり、非関連者基準(50%超)を満たさないとして合算課税処分を行った。
あてはめ
本件元受保険契約は、形式的には顧客の生命・身体等を対象としているが、実態としては、関連者であるNRFMが優先受益者として固定され、顧客の死亡等により生じる「クレジット債権の回収不能」という経済的不利益を担保するものである。また、保険料も債権残高に応じて算出され、NRFMが徴収・支払を主導している。これら実質に照らせば、本件再保険契約に係る保険は、関連者(NRFM)が有する資産であるクレジット債権に係る経済的不利益を担保するものというべきであり、関連者以外の者の資産等を目的とする保険には当たらない。
結論
本件再保険料は非関連者基準の分子に算入されず、NGREは適用除外要件を満たさないため、本件各処分は適法である。原判決を破棄し、被上告人の控訴を棄却する。
実務上の射程
タックスヘイブン対策税制の適用除外要件の解釈において、形式的な契約名義や保険事故の対象にとどまらず、誰のどのような経済的不利益を担保しているかという実質的な観点から「保険の目的」を画定する点に射程がある。実務上、複雑な金融スキームを用いた租税回避に対抗する判断枠組みとして活用される。
事件番号: 令和4(行ヒ)228 / 裁判年月日: 令和5年11月6日 / 結論: その他
1 内国法人に係る特定外国子会社等の事業年度の途中で当該特定外国子会社等の発行する優先出資証券が償還され、当該事業年度終了の時には、当該特定外国子会社等の発行済株式等が、当該内国法人が有し剰余金の配当等が予定されていない普通株式のみとなった場合において、当該特定外国子会社等の事業年度を当該優先出資証券の償還日の前日まで…
事件番号: 平成16(行ヒ)326 / 裁判年月日: 平成18年2月23日 / 結論: 破棄自判
我が国の銀行が,本来は外国法人が負担すべき外国法人税(外国の法令により課される法人税に相当する税)について対価を得て引き受ける取引を行い,同取引に基づいて同銀行が負担した外国法人税が上記対価を上回るため,同取引自体によっては損失を生ずるが,上記外国法人税の負担を自己の外国税額控除の余裕枠を利用して国内で納付すべき法人税…
事件番号: 昭和62(行ツ)77 / 裁判年月日: 昭和63年3月31日 / 結論: 棄却
収税官吏が犯則嫌疑者に対し国税犯則取締法に基づく調査を行つた場合に、課税庁が右調査により収集された資料を右の者に対する課税処分及び青色申告承認の取消処分を行うために利用することは許される。
事件番号: 平成20(行ヒ)43 / 裁判年月日: 平成21年12月3日 / 結論: その他
内国法人によりチャネル諸島ガーンジーに設立された子会社が,複数の課税方法のうちから一つを選択することを納税者に許していたガーンジーの法人所得税制の下で,0%超30%以下の範囲で税務当局に申請し承認された税率が適用税率になるとの制度に基づき26%の税率で所得税の賦課決定を受けてこれを納付した場合において,次の1〜5などの…