公職選挙法129条、142条1項と憲法21条、31条
憲法21条、憲法31条、公職選挙法129条、公職選挙法142条1項
判旨
公職選挙法129条(事前運動の禁止)及び142条1項(文書図画の頒布制限)の規定は、憲法21条(表現の自由)及び31条(適正手続)に違反しない。
問題の所在(論点)
公職選挙法129条による事前運動の禁止、及び同法142条1項による文書図画の頒布制限規定が、憲法21条及び31条に抵触し違憲となるか。
規範
選挙の公正を確保し、過熱した選挙運動による弊害を防止するための公職選挙法による合理的かつ必要最小限の制限は、憲法21条、31条に違反しない(昭和44年4月23日大法廷判決の趣旨)。
重要事実
被告人が、公職選挙法129条が禁じる選挙運動期間前の運動(事前運動)及び同法142条1項が禁じる法定外の文書図画の頒布を行ったとして、同法違反に問われた事案。弁護人は、これらの規定が憲法21条の表現の自由や憲法31条の罪刑法定主義に反すると主張して上告した。
あてはめ
判決文によれば、最高裁は過去の大法廷判決(昭和44年)等の趣旨に照らし、公職選挙法の各規定が憲法21条及び31条に違反しないことは明らかであると判示し、詳細なあてはめを省略して弁護人の主張を退けた。これは、選挙運動の公平性と平穏を維持するための制限の合理性が既に憲法判断として確立していることを前提としている。
事件番号: 令和5(あ)1305 / 裁判年月日: 令和6年3月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法142条1項及び243条1項3号による文書図画の頒布制限は、公正な選挙の確保という正当な目的のための合理的で必要最小限の制限であり、憲法21条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が、公職選挙法142条1項の規定に反し、選挙運動のために法で認められていない文書図画を頒布したとして、同法…
結論
公職選挙法129条及び142条1項の各規定は憲法21条、31条に違反せず、合憲である。
実務上の射程
公職選挙法における選挙運動の制限に関する合憲性を再確認したものである。司法試験においては、選挙運動の自由に対する制限が争点となった際、判例の確立した態度として、表現の自由の「公共の福祉」による合理的制限の限界を論ずるための根拠として引用できる。
事件番号: 昭和58(あ)1759 / 裁判年月日: 昭和59年3月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法138条1項(戸別訪問の禁止)、142条1項(文書図画の頒布制限)、129条(選挙運動期間の制限)の各規定は、いずれも憲法21条1項に違反しない。 第1 事案の概要:上告人は、公職選挙法138条1項(戸別訪問の禁止)、同142条1項(文書図画の頒布制限)、同129条(選挙運動期間の制限)…
事件番号: 平成26(あ)1731 / 裁判年月日: 平成27年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法142条1項(改正前)による選挙運動用文書図画の頒布制限は、インターネットによる頒布が解禁された後であっても憲法21条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が、平成25年改正後の公職選挙法の下で、インターネット以外による選挙運動用文書図画の頒布を制限する同法142条1項(改正前)等に違…