1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額に限られる。 2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額である。
1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額 2 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、各原告につき民訴法82条1項本文にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき訴え提起の手数料の額
(1、2につき)民訴法9条1項本文、民訴法82条1項本文、民事訴訟費用等に関する法律4条1項、民事訴訟費用等に関する法律9条3項柱書き (1につき)民訴法83条1項1号
判旨
共同訴訟において請求価額を合算して訴額を算定する場合、各原告の訴訟上の救助の対象となる手数料額は、合算後の手数料額を各請求額に応じて案分した額に限られる。
問題の所在(論点)
共同訴訟において各原告の請求価額を合算して訴額を算定する場合(民訴費用法9条3項)、民訴法82条1項にいう「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき手数料の額は、合算後の全額か、あるいは案分した額か。
規範
共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算して訴額とする場合、各原告につき訴訟上の救助(民訴法82条1項)の対象となる「訴え提起の手数料」の額は、合算後の総額を各原告の請求価額に応じて案分して得た額(民訴費用法9条3項柱書き参照)に限られる。各原告につき「訴訟の準備及び追行に必要な費用」として考慮すべき額も、同様に案分後の額となる。
事件番号: 平成12(行フ)1 / 裁判年月日: 平成12年10月13日 / 結論: 棄却
森林法一〇条の二に基づく林地開発行為の許可処分につき、許可区域周辺に居住する多数の原告が、右開発行為により、同区域周辺の水質の悪化、水量の変化、大気汚染、その他の環境悪化を生じ、原告らの水利権、人格権、不動産所有権等が害されるおそれがあるところ、右処分には同条二項所定の不許可事由があるのにされた違法があるなどと主張して…
重要事実
豪雨による河川の氾濫で被災した相手方ら32名は、損害賠償を求めて共同訴訟を提起するとともに、訴訟上の救助を申し立てた。原々審が申立てを却下したのに対し、原審は、各原告が合算後の手数料全額の納付義務を負うことを理由に、救助対象となる額も合算後の全額であるとして、原々決定を取り消した。
あてはめ
各原告の請求に係る手数料額は、民訴費用法9条3項の趣旨に照らせば、合算後の総額を各請求額に応じて案分した額と解される。また、各原告は個別に訴えを提起しても救助を受け得る立場にあり、共同訴訟において他の原告の手数料分まで救済を図る必要性はない。したがって、救助の対象および要件充足性の判断の基礎となる費用額は、案分した額にとどまると評価される。
結論
各原告が納めるべき手数料の全額を考慮すべきとした原審の判断には法令の違反があるため、案分した額を基準に民訴法82条1項の要件充足性を審理させるべく、原決定を破棄し差し戻す。
実務上の射程
多数の被害者が共同訴訟を提起する際、訴訟上の救助の要件である「資力」の有無(費用支払により生活に著しい支障を生じるか)を判断する際、個々の原告が負担すべき費用を過大に算出することを否定した。実務上、共同原告の一部についてのみ救助が認められる運用を想定しており、手数料減免の効果も各原告の負担割合の範囲に限定される。
事件番号: 平成25(受)2331 / 裁判年月日: 平成27年9月18日 / 結論: 棄却
金銭債権の支払を請求する訴えの提起時にされた訴訟上の救助の申立てに対し,当該債権の数量的な一部について勝訴の見込みがないとはいえないことを理由として,その部分に対応する訴え提起の手数料につき訴訟上の救助を付与する決定が確定した場合において,請求が上記数量的な一部に減縮されたときは,訴え提起の手数料が納付されていないこと…
事件番号: 平成16(行フ)4 / 裁判年月日: 平成16年7月13日 / 結論: 棄却
訴訟上の救助の決定に対し,訴訟の相手方当事者は,即時抗告をすることができる。 (反対意見がある。)
事件番号: 平成16(行フ)5 / 裁判年月日: 平成17年3月29日 / 結論: 破棄自判
同一の敷地にあって一つのリゾートホテルを構成している同一人所有の複数の建物について,固定資産課税台帳に登録された同一年度の価格につき需給事情による減点補正がされていないのは違法であるとしてされた審査の申出を棄却する固定資産評価審査委員会の決定のうち,所有者が各建物の適正な時価と主張する価格を超える部分の取消しを求める各…
事件番号: 平成19(許)7 / 裁判年月日: 平成19年12月4日 / 結論: 棄却
民事訴訟において,訴訟上の救助の決定を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合には,同決定は当然にその効力を失い,裁判所は,同決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく,同決定を受けた者に対し,猶予した費用の支払を命ずることができる。