訴訟上の救助の決定に対し,訴訟の相手方当事者は,即時抗告をすることができる。 (反対意見がある。)
訴訟上の救助の決定に対し訴訟の相手方当事者が即時抗告をすることの許否
民訴法82条1項,民訴法86条
判旨
訴訟上の救助の決定は、裁判費用の猶予等を通じて訴訟の適法性や追行可能性に影響を及ぼすため、訴訟の相手方当事者は当該決定に対し即時抗告をすることができる。
問題の所在(論点)
訴訟上の救助の決定(民訴法82条1項)に対し、訴訟の相手方当事者は即時抗告(同法86条)をする適格(不服申立ての利益)を有するか。
規範
民事訴訟法86条は訴訟上の救助の決定を即時抗告の対象から除外していない。また、同法84条は「利害関係人」に救助決定の取消申立権を認めている。これらに鑑み、訴訟上の救助の決定が適法になされたか否かについて、訴訟の相手方当事者は法律上の「利害関係」を有するものと解すべきである。
重要事実
抗告人は裁判所から民訴法82条1項に基づく訴訟上の救助の決定を受けた。これに対し、訴訟の相手方当事者が即時抗告を申し立てたところ、原審(高裁)は相手方の即時抗告を適法とした上で、抗告人が救助の要件を欠くと判断して救助決定を取り消した。抗告人は、相手方当事者には即時抗告の不服申立権がないと主張して特別抗告を申し立てた。
事件番号: 昭和23(ク)12 / 裁判年月日: 昭和23年4月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に認められた場合を除き、原則として申し立てることができない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、当該抗告は当時施行されていた応急的措置に関する法律等の特別の規定に基づくものではなく、一般の抗告として申し立てられたものであった。…
あてはめ
訴訟上の救助の決定は、手数料等の支払猶予(同法83条1項1号等)という効力を通じ、訴えの適法性(同法137条等)や実際の訴訟追行の可否に直結するものである。したがって、相手方当事者は、本来却下されるべき不適法な訴えが救助決定によって維持される等の不利益を被る地位にあり、決定の適法性を争う「利害関係」が認められる。
結論
訴訟の相手方当事者は、訴訟上の救助の決定に対して即時抗告をすることができる。
実務上の射程
訴訟上の救助の決定に対する不服申立権を広く認めた判例である。答案上は、民訴法上の「利害関係」や不服申立ての利益を論じる際、単なる事実上の利益にとどまらず、訴えの適法性や訴訟追行の可否に関わる事項は法律上の利害関係に含まれるとする論理の参考になる。
事件番号: 平成22(許)7 / 裁判年月日: 平成22年8月4日 / 結論: 却下
人身保護法による釈放の請求を却下又は棄却した高等裁判所の決定は,許可抗告の対象とはならない。
事件番号: 昭和29(ク)42 / 裁判年月日: 昭和29年3月23日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関する裁判権を有するのは、訴訟法上特別に認められた場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)のみがこれに当たる。最高裁判所への抗告申立てには通常の抗告規定の適用はなく、憲法判断の不当を理由としない抗告は不適法として却下される。 第1 事案…
事件番号: 昭和56(ク)119 / 裁判年月日: 昭和56年7月2日 / 結論: 棄却
訴訟救助却下決定に対する抗告審において、当事者の審尋を経ないで審理裁判しても、その裁判は憲法八二条に違反しない。
事件番号: 平成26(し)560 / 裁判年月日: 平成26年11月18日 / 結論: その他
1 受訴裁判所によってされた刑訴法90条による保釈の判断に対して,抗告審としては,受訴裁判所の判断が委ねられた裁量の範囲を逸脱していないかどうか,すなわち,不合理でないかどうかを審査すべきであり,受訴裁判所の判断を覆す場合には,その判断が不合理であることを具体的に示す必要がある。 2 公判審理の経過及び罪証隠滅のおそれ…