判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に認められた場合を除き、原則として申し立てることができない。
問題の所在(論点)
訴訟法上に特別の規定がない場合に、最高裁判所に対して直接抗告を申し立てることが許されるか。
規範
最高裁判所に対する抗告は、日本国憲法の施行に伴う民事・刑事訴訟法の応急的措置に関する法律等、訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることができる旨を定めた場合を除き、認められない。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、当該抗告は当時施行されていた応急的措置に関する法律等の特別の規定に基づくものではなく、一般の抗告として申し立てられたものであった。
あてはめ
本件抗告についてみると、抗告状の記載によれば、応急的措置に関する法律等に定める「特に最高裁判所に申し立てることができる場合」には該当しない。したがって、適法な抗告の要件を欠いているといえる。
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
新憲法下の最高裁判所の権限と下級裁判所からの不服申立て経路を整理した初期判例であり、現行の民事訴訟法・刑事訴訟法における抗告・再抗告等の管轄の適否を検討する際の基礎となる考え方を示している。
事件番号: 昭和26(ク)237 / 裁判年月日: 昭和26年12月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件においては憲法違反の判断を不当とするもの(旧民訴法419条の2、現行民訴法336条1項)に限定される。それ以外の理由による抗告申立ては不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対し抗告を申…
事件番号: 昭和23(ク)21 / 裁判年月日: 昭和23年7月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることができる旨を定めた特別の規定がある場合に限り許される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、当該抗告は各応急的措置法等に定める「特に最高裁判所に申し立てることができる場合」に該当するものではなかった。…
事件番号: 昭和23(ク)25 / 裁判年月日: 昭和23年9月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告は、訴訟法が特に最高裁の権限と定める場合や、憲法上の判断の不当を理由とする場合に限られ、それ以外は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所への抗告を申し立てた。しかし、当該抗告申立書の内容を精査したところ、原決定においてなされた憲法上の判断の…
事件番号: 昭和23(ク)14 / 裁判年月日: 昭和23年6月5日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合を除き、これを行うことができない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定(詳細は判決文からは不明)に不服があるとして最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、抗告申立書によれば、当該申立ては原決定においてなされた…
事件番号: 昭和25(ク)41 / 裁判年月日: 昭和26年6月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件では憲法判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告理由の第一点は憲法判断に関するものではなく、第二点は憲法違反を主張する形式…