判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合を除き、これを行うことができない。
問題の所在(論点)
最高裁判所に対する抗告の許容性、およびその申立が適法となるための要件が問題となる。
規範
最高裁判所に対する抗告申立が許容されるのは、日本国憲法施行に伴う民事・刑事各訴訟法の応急的措置に関する法律等、訴訟法上において特に最高裁判所の権限に属するものと規定されている場合に限定される。これに該当しない不服申立ては、憲法上の判断の不当を理由とする特別抗告等の法的根拠がない限り、不適法となる。
重要事実
抗告人は、原決定(詳細は判決文からは不明)に不服があるとして最高裁判所に対し抗告を申し立てた。しかし、抗告申立書によれば、当該申立ては原決定においてなされた憲法上の判断の不当を理由とするものではなかった。
あてはめ
本件抗告は、憲法上の判断の不当を理由とするものではない。また、日本国憲法の施行に伴う民事訴訟法および刑事訴訟法の応急的措置に関する法律の各条項が定める「最高裁判所の権限に属する抗告」のいずれにも該当しない。さらに、他に本件のような抗告を最高裁判所に申し立てることができる旨を定めた訴訟法上の規定も存在しない。したがって、本件申立ては適法な不服申立てとしての形式を欠いているといえる。
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
新憲法下の三審制および最高裁判所の権限を画定した初期判例。現在の民事訴訟法における特別抗告(336条)や許可抗告(337条)の解釈運用においても、原則として法律に定めがない限り最高裁への直通の抗告は認められないという基本原則を示すものとして機能する。
事件番号: 昭和23(ク)25 / 裁判年月日: 昭和23年9月22日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告は、訴訟法が特に最高裁の権限と定める場合や、憲法上の判断の不当を理由とする場合に限られ、それ以外は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所への抗告を申し立てた。しかし、当該抗告申立書の内容を精査したところ、原決定においてなされた憲法上の判断の…
事件番号: 昭和25(ク)114 / 裁判年月日: 昭和25年10月27日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否かの判断の不当を理由とする場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人等が、最高裁判所に対し、民事事件に関する抗告を申し立てた事案。抗告の理由は、原決定における憲法判断の不当を指摘するものではなく、通常…
事件番号: 昭和26(ク)208 / 裁判年月日: 昭和26年12月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告のみが認められる。最高裁判所に対する抗告において、旧民事訴訟法413条に基づく再抗告の規定は適用されない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案…
事件番号: 昭和23(ク)12 / 裁判年月日: 昭和23年4月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に認められた場合を除き、原則として申し立てることができない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、当該抗告は当時施行されていた応急的措置に関する法律等の特別の規定に基づくものではなく、一般の抗告として申し立てられたものであった。…
事件番号: 昭和23(ク)39 / 裁判年月日: 昭和24年2月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告は、訴訟法が特に定めた場合を除いてはすることができず、特別抗告の要件を満たさない限り不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、抗告申立書および記録を確認したところ、本件は原決定における憲法判断の不当を理由とするもので…