判旨
最高裁判所への抗告は、訴訟法が特に最高裁の権限と定める場合や、憲法上の判断の不当を理由とする場合に限られ、それ以外は不適法として却下される。
問題の所在(論点)
訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められていない事項について、憲法判断の不当を理由とせずに最高裁判所へ抗告を申し立てることができるか。
規範
最高裁判所に対する抗告申立ては、訴訟法上特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合(民事・刑事訴訟法の応急的措置に関する法律等)、または原決定における憲法上の判断の不当を理由とする場合に限定される。これらに該当しない抗告は不適法である。
重要事実
抗告人は、原決定に対して最高裁判所への抗告を申し立てた。しかし、当該抗告申立書の内容を精査したところ、原決定においてなされた憲法上の判断の不当を理由とするものではなかった。
あてはめ
本件抗告は、最高裁判所の権限に属すると法律が特別に定めた抗告の類型(当時の民訴・刑訴法応急措置法等)に該当しない。また、抗告理由において憲法上の判断の不当を主張していることも認められない。他に最高裁判所への直接の抗告を認める訴訟法上の規定も存在しない。したがって、本件抗告は申立ての適法要件を欠いていると評価される。
結論
本件抗告は不適法であるため却下される。
実務上の射程
最高裁への不服申立ては、憲法違反や特定の法律上の根拠がある場合に限定されるという「最高裁の終審性・憲法裁判所的性格」を端的に示す。現在の民事訴訟法における許可抗告(337条)や特別抗告(336条)の要件充足性を検討する際の基礎的な論理として機能する。
事件番号: 昭和26(ク)165 / 裁判年月日: 昭和26年9月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告申立ては、憲法違反を理由とする場合(旧民訴法419条の2)に限定され、単なる法令違反を理由とすることは認められない。 第1 事案の概要:抗告人が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告理由は、原決定において憲法適合性に関する判断が不当であると主張するものではなく、実質的…
事件番号: 昭和23(ク)39 / 裁判年月日: 昭和24年2月8日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告は、訴訟法が特に定めた場合を除いてはすることができず、特別抗告の要件を満たさない限り不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、抗告申立書および記録を確認したところ、本件は原決定における憲法判断の不当を理由とするもので…
事件番号: 昭和24(ク)75 / 裁判年月日: 昭和26年2月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上の特別抗告(憲法違反等を理由とするもの)に限られ、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定において法律・命令・規則又は処分が憲法に適合するか否かにつ…
事件番号: 昭和22(ク)7 / 裁判年月日: 昭和22年12月24日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】裁判所法7条2号にいう「訴訟法において特に定める抗告」とは、憲法判断を含む場合など、法律により特に最高裁判所の権限に属するものと定められた抗告に限定される。したがって、憲法適合性の判断を問題としない高等裁判所の決定等に対する一般的な抗告は、最高裁判所の裁判権に含まれない。 第1 事案の概要:抗告人…
事件番号: 昭和25(ク)41 / 裁判年月日: 昭和26年6月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許された場合に限られ、民事事件では憲法判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた事案。抗告理由の第一点は憲法判断に関するものではなく、第二点は憲法違反を主張する形式…