判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることができる旨を定めた特別の規定がある場合に限り許される。
問題の所在(論点)
訴訟法上に特別の規定がない場合に、最高裁判所に対して直接抗告を申し立てることが認められるか。
規範
最高裁判所に対する抗告は、日本国憲法の施行に伴う民事訴訟法又は刑事訴訟法の応急的措置に関する法律等の訴訟法において、特に最高裁判所に申し立てることができる旨を定めた場合に限定される。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、当該抗告は各応急的措置法等に定める「特に最高裁判所に申し立てることができる場合」に該当するものではなかった。
あてはめ
本件抗告について検討するに、抗告状の記載自体から、本件が訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることができると定められた例外的な場合に当たらないことは明らかである。したがって、本件抗告は適法な申立てとしての要件を欠いていると評価される。
結論
本件抗告は不適法であるため、却下を免れない。
実務上の射程
最高裁判所への直通の抗告が極めて限定的であることを示す。現代の民事訴訟法における特別抗告(336条)や許可抗告(337条)の運用の基礎となる、不服申立権の法定性を確認する趣旨で参照される。
事件番号: 昭和23(ク)12 / 裁判年月日: 昭和23年4月16日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に認められた場合を除き、原則として申し立てることができない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。しかし、当該抗告は当時施行されていた応急的措置に関する法律等の特別の規定に基づくものではなく、一般の抗告として申し立てられたものであった。…
事件番号: 昭和23(ク)28 / 裁判年月日: 昭和23年10月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合を除き、提起することができない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その抗告申立書によれば、原決定における憲法上の判断の不当を理由とするものではなかった。 第2 問…
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…
事件番号: 昭和43(し)45 / 裁判年月日: 昭和43年6月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への特別抗告(刑訴法433条)が許容されるのは、その対象である決定または命令に対し、刑事訴訟法上他に不服を申し立てることができない場合に限られる。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能であった。しかし…
事件番号: 昭和23(ク)33 / 裁判年月日: 昭和24年2月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上特に許容された場合を除き、申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人等が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案である。本件抗告が、当時の民事訴訟法419条の2(民訴応急措置法7条)などの特別の規定に基づくものか否かが問題となった。 第2 問題の所在…