判旨
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合を除き、提起することができない。
問題の所在(論点)
訴訟法において特に最高裁判所の権限に属すると規定されていない事項、かつ憲法違反を理由としない不服申立てについて、最高裁判所に対する抗告の適格が認められるか。
規範
最高裁判所に対する抗告申立ては、憲法上の判断の不当を理由とする場合、または訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合(応急措置法7条等)に限り認められる。
重要事実
抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その抗告申立書によれば、原決定における憲法上の判断の不当を理由とするものではなかった。
あてはめ
本件抗告は、憲法上の判断の不当を理由とするものではない。また、日本国憲法の施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律(昭和22年法律第75号)7条のように、最高裁判所の権限に属すると定めた他の規定も存在しない。したがって、訴訟法上の適法な申立て要件を欠いている。
結論
本件抗告は不適法であり、却下されるべきである。
実務上の射程
最高裁判所への抗告(特別抗告・許可抗告等)の具体的要件を欠く申立てが不適法であることを示す。現行法下では民事訴訟法336条(特別抗告)や337条(許可抗告)等の各要件を充足する必要があることを確認する基礎的な判例である。
事件番号: 昭和26(ク)42 / 裁判年月日: 昭和26年5月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に定めた場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。当該抗告の理由は、原決定における法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否か…
事件番号: 昭和23(ク)7 / 裁判年月日: 昭和23年6月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】非訟事件の抗告について、最高裁判所への抗告は憲法施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律第7条に基づく場合に限られ、その申立期間は5日である。本件は期間経過後に申し立てられたため、不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人は、東京高等裁判所が下した決定に対し最高裁判所へ抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和23(ク)21 / 裁判年月日: 昭和23年7月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所に申し立てることができる旨を定めた特別の規定がある場合に限り許される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、当該抗告は各応急的措置法等に定める「特に最高裁判所に申し立てることができる場合」に該当するものではなかった。…
事件番号: 昭和26(ク)190 / 裁判年月日: 昭和26年10月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に認める場合に限り許され、民事事件においては憲法解釈の不当を理由とする特別抗告(旧民訴法419条の2)のみが認められる。最高裁判所への抗告には通常抗告に関する規定(旧民訴法413条)の適用はなく、憲法違反を理由としない抗告は不適法として却下される。 第1 事案の…
事件番号: 昭和24(ク)67 / 裁判年月日: 昭和24年10月31日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法が特に最高裁判所の権限に属するものと定めた場合に限り許容される。具体的には、旧民事訴訟法419条の2(現行336条)の特別抗告のように、憲法違反を理由とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、その抗告申立書の内容から、…