判旨
非訟事件の抗告について、最高裁判所への抗告は憲法施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律第7条に基づく場合に限られ、その申立期間は5日である。本件は期間経過後に申し立てられたため、不適法として却下される。
問題の所在(論点)
非訟事件の抗告において、最高裁判所に対する抗告の可否、およびその申立期間の制限(特に応急的措置に関する法律の適用関係)が問題となる。
規範
非訟事件手続法25条により民事訴訟法が準用される結果、最高裁判所に対する抗告は「日本国憲法の施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律」7条に基づく場合に限られる。また、同条2項により、当該抗告は5日の不変期間内に申し立てなければならない。
重要事実
抗告人は、東京高等裁判所が下した決定に対し最高裁判所へ抗告を申し立てた。対象となる決定は昭和22年9月6日に抗告人に告知されたが、抗告人が抗告状を高裁判所に提出し、同裁判所がこれを受領したのは昭和23年1月13日であった。
あてはめ
本件抗告が「日本国憲法の施行に伴う民事訴訟法の応急的措置に関する法律」7条に基づくものであるとしても、同条2項が定める5日の期間内に申し立てる必要がある。事実関係によれば、決定の告知から抗告状の受領まで約4ヶ月が経過しており、5日の期間を著しく徒過しているといえる。
結論
本件抗告は期間経過後の申立てであり、不適法であるため却下される。
実務上の射程
新憲法制定直後の過渡期における非訟事件の不服申立手続を整理した判例である。現代の司法試験においては、非訟事件手続法における抗告の準用規定(現行法でも民事訴訟法の準用がある点)や、不変期間遵守の重要性を確認する文脈で参照され得る。
事件番号: 昭和23(ク)28 / 裁判年月日: 昭和23年10月19日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法において特に最高裁判所の権限に属するものと定められた場合を除き、提起することができない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対して最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、その抗告申立書によれば、原決定における憲法上の判断の不当を理由とするものではなかった。 第2 問…
事件番号: 昭和26(ク)42 / 裁判年月日: 昭和26年5月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に定めた場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法判断の不当を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた。当該抗告の理由は、原決定における法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するか否か…
事件番号: 昭和25(ク)42 / 裁判年月日: 昭和25年6月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が民事事件の抗告について裁判権を有するのは、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかの判断を不当とする場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人等が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における憲法判断の不当性を指摘するものではなかった。…
事件番号: 昭和22(ク)8 / 裁判年月日: 昭和23年1月17日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】下級裁判所の決定または命令に対して最高裁判所へ抗告ができるのは、憲法違反を理由とする場合等、訴訟法が特に定めた場合に限られる。 第1 事案の概要:抗告人は、仮処分執行取消申立事件における申立却下決定に対し、札幌高等裁判所へ即時抗告をしたが、同裁判所から抗告棄却の決定を受けた。抗告人はこれを不服とし…
事件番号: 昭和28(ク)179 / 裁判年月日: 昭和28年9月4日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法において特に最高裁判所への抗告申立てが許容されている場合に限定される。 第1 事案の概要:抗告人等は、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。当該申立ては、抗告申立書の記載自体から、民事訴訟法(旧法)413条に基づくものであることが明らかであった。 第…