民事訴訟の当事者双方が、適式な呼出しを受けながら、第1審の第1回口頭弁論期日及びその次の期日である第2回口頭弁論期日に連続して出頭しなかった場合において、当該訴訟の原告が、拘置所に収容されている死刑確定者であり、上記第2回口頭弁論期日に至るまで訴訟代理人を選任する具体的な見込みを有していたともうかがわれないことからすれば、当事者双方が出頭しないことにより裁判所の訴訟運営に支障が生じており、これが直ちに解消される状況になかったことが明らかであるなど判示の事情の下では、上記第2回口頭弁論期日において審理を継続することが必要であるとして期日の延期とともに新たな口頭弁論期日の指定がされたことを理由に当該訴訟について訴えの取下げがあったものとはみなされないとした原審の判断には、民訴法263条後段の解釈適用を誤った違法がある。 (補足意見がある。)
当事者双方が口頭弁論期日に連続して出頭しなかった場合において、訴えの取下げがあったものとみなされないとした原審の判断に民訴法263条後段の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
民訴法263条後段
判旨
民訴法263条後段に基づき、当事者双方が連続して2回期日に不出頭であった場合、裁判所が審理継続の必要を認めて期日を延期・指定したとしても、直ちに同条の適用が否定されるものではなく、訴えの取下げがあったものとみなされる。
問題の所在(論点)
当事者双方が2回連続して不出頭となった場合において、裁判所が審理を継続すべく期日の延期・指定の措置をとったときであっても、民訴法263条後段による訴え取下げのみなし(取下げ擬制)の効果が生じるか。
規範
民訴法263条後段の趣旨は、連続不出頭という不熱心な訴訟追行により裁判所の効率的な訴訟運営に支障が生じることを防ぐ点にある。同法には、審理の継続を理由に同条の適用を排除する規定はない。したがって、裁判所が期日の延期・新期日の指定という措置をとったとしても、同条の「期日」の要件を欠くことにはならず、当然に訴え取下げ擬制の効果が生じる。
事件番号: 平成12(行フ)2 / 裁判年月日: 平成13年2月27日 / 結論: 棄却
1 行政事件訴訟法12条3項にいう「事案の処理に当たつた下級行政機関」とは,当該処分又は裁決に関し事案の処理そのものに実質的に関与した下級行政機関をいう。 2 国民年金法による障害基礎年金と地方公務員等共済組合法による退職共済年金の併給を受けていた者が,和歌山県知事の補助機関である和歌山東社会保険事務所の担当者に対し,…
重要事実
大阪拘置所に収容中の死刑確定者である原告は、本人訴訟として名誉毀損訴訟を提起した。第1回および第2回口頭弁論期日に、被告は適式な呼出しを受けながら不出頭であり、原告も拘置所長の許可が得られないとして出頭しなかった。裁判所は第2回期日において期日を延期し、新期日を指定する措置をとったが、その後に原告は東京地裁への移送を申し立て、被告は訴え取下げ擬制を主張した。
あてはめ
本件では、原告は拘置所収容中であり訴訟代理人選任の具体的見込みもなかったことから、主観的な訴訟追行の意思の有無にかかわらず、裁判所の訴訟運営に客観的な支障が生じており、これが直ちに解消される状況にもなかった。かかる状況下で裁判所が便宜上期日を延期したとしても、同条後段の適用を妨げる特段の事情(突発的な事故や訴訟妨害等)は見当たらない。したがって、法定の要件を満たす以上、同条の効果は妨げられない。
結論
民訴法263条後段の適用が認められ、本件訴訟は訴えの取下げがあったものとみなされる。よって、その後の移送申立ては不適法として却下される。
実務上の射程
裁判所が職権で審理を続行しようとしたとしても、2回連続不出頭という客観的事実があれば、法的効果として当然に取下げ擬制が生じることを示した。実務上、収容者等の出頭が困難な事案では、民事法律扶助による代理人選任や158条の擬制陳述の活用を検討すべきであり、漫然と不出頭を繰り返すことは許容されない。
事件番号: 平成23(許)4 / 裁判年月日: 平成23年5月18日 / 結論: 破棄自判
民訴法38条後段の要件を満たす共同訴訟であって,いずれの共同訴訟人に係る部分も受訴裁判所が土地管轄権を有しているものについて,同法7条ただし書により同法9条の適用が排除されることはない。
事件番号: 平成26(行フ)2 / 裁判年月日: 平成26年9月25日 / 結論: 破棄差戻
1 処分行政庁を補助して処分に関わる事務を行った組織は,それが行政組織法上の行政機関ではなく,法令に基づき処分行政庁の監督の下で所定の事務を行う特殊法人等又はその下部組織であっても,法令に基づき当該特殊法人等が委任又は委託を受けた当該処分に関わる事務につき処分行政庁を補助してこれを行う機関であるといえる場合において,当…
事件番号: 令和1(し)807 / 裁判年月日: 令和2年2月25日 / 結論: 棄却
高等裁判所がした控訴取下げを無効と認め訴訟手続を再開・続行する旨の決定に対しては,これに不服のある者は,3日以内にその高等裁判所に異議の申立てをすることができる。
事件番号: 平成1(行ト)2 / 裁判年月日: 平成元年6月8日 / 結論: 棄却
行政庁を被告とする取消訴訟の管轄を定めた行政事件訴訟法一二条の規定は、憲法三二条に違反しない。