令和3年10月31日施行の衆議院議員総選挙当時、衆議院比例代表選出議員の選挙に関する公職選挙法(令和4年法律第89号による改正前のもの)13条2項及び別表第2、86条の2並びに95条の2は憲法14条1項等に違反しない
判旨
衆議院比例代表選出議員の選挙に関する当時の公職選挙法の規定は、憲法14条1項等に照らして合憲であり、当該規定に基づき行われた選挙は有効である。
問題の所在(論点)
衆議院比例代表選出議員の選挙における定数配分及び選挙制度に関する規定が、憲法14条1項(法の下の平等)、15条1項・3項(公務員選定権)、43条(両議院の組織)、44条(議員の資格)、47条(選挙に関する事項の法定)に違反するか。
規範
国会が選挙制度を定めるに際しては広範な裁量が認められるが、その具体的内容が憲法の要請に照らして不合理と認められる場合には、その裁量権の逸脱・濫用として憲法に違反する。特に投票価値の平等については、人口変動に伴う較差が選挙制度の仕組みとして不合理な状態に至っているか否かにより判断される。
重要事実
令和3年10月31日に行われた衆議院議員総選挙のうち、東京都選挙区及び南関東選挙区における比例代表選出議員の選挙について、当時の公職選挙法13条2項、別表第2、86条の2及び95条の2(令和4年法律第89号による改正前)の規定が、投票価値の平等や国民の代表としての性質等に反し憲法違反であるとして、選挙の無効が争われた。
あてはめ
最高裁平成11年11月10日大法廷判決の趣旨に徴すれば、衆議院比例代表制におけるブロック別の定数配分や拘束名簿式等の仕組みは、国会に与えられた裁量権の範囲内に留まる。人口変動等の事情を考慮しても、当時の規定が憲法の諸原則に照らして明白に不合理なものとは認められず、憲法上の要請に反する状態にあったとはいえない。
結論
本件各規定は憲法に違反するものではなく、これに基づいて行われた本件選挙は有効である。
実務上の射程
衆議院比例代表制の合憲性を再確認した判例である。答案上は、小選挙区制の格差問題とは区別し、比例代表制特有のブロック制や定数配分について、先行する平成11年大法廷判決の枠組み(国会の広い裁量)が維持されていることを示す際に用いる。
事件番号: 令和7(行ツ)156 / 裁判年月日: 令和7年9月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】衆議院比例代表選出議員の選挙に関する公職選挙法の各規定は、憲法14条1項、15条、43条、44条、47条等に違反せず、当該規定に基づき行われた選挙は有効である。 第1 事案の概要:令和6年10月27日施行の衆議院議員総選挙のうち、東京都選挙区における比例代表選出議員の選挙に関し、上告人らが公職選挙…