不当景品類及び不当表示防止法7条2項は,憲法21条1項,22条1項に違反しない。
不当景品類及び不当表示防止法7条2項と憲法21条1項,22条1項
憲法21条1項,憲法22条1項,不当景品類及び不当表示防止法5条1号,不当景品類及び不当表示防止法7条
判旨
不当景品類及び不当表示防止法7条2項(不実証広告規制)は、一般消費者の利益を迅速に保護することを目的として、合理的な根拠を示す資料を提出しない場合に優良誤認表示とみなすものであり、憲法21条1項、22条1項に違反しない。
問題の所在(論点)
不当景品類及び不当表示防止法7条2項が、事業者が合理的根拠を示す資料を提出しない場合に、客観的事実のいかんにかかわらず優良誤認表示とみなして措置命令を可能とする点が、憲法21条1項(表現の自由)および22条1項(職業選択の自由・営業の自由)に違反し、違憲ではないか。
規範
法7条2項の合憲性は、規制目的が公共の福祉に合致するか、および手段がその目的達成のために必要かつ合理的な範囲内にあるか(立法府の合理的裁量の範囲内か)によって判断される。具体的には、事業者が表示の裏付けとなる合理的根拠を有すべき立場にあること、資料不提出という客観的状況に限定して適用されること、将来的な根拠に基づく再表示まで禁止するものではないことを考慮する。
重要事実
上告人は、自己の供給する商品等の品質等について表示(本件表示)を行っていた。内閣総理大臣は、景品表示法7条2項に基づき、本件表示が同法5条1号(優良誤認表示)に該当するか判断するため、上告人に対し合理的根拠を示す資料の提出を求めた。しかし、上告人が期間内に資料を提出しなかったため、同条2項により本件表示は優良誤認表示とみなされ、措置命令がなされた。上告人は、同項が表現の自由(憲法21条1項)および営業の自由(22条1項)に違反すると主張して、措置命令の取消しを求めた。
事件番号: 令和3(行ツ)73 / 裁判年月日: 令和4年2月7日 / 結論: 棄却
あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律19条1項は,憲法22条1項に違反しない。 (意見がある。)
あてはめ
まず、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害されないという利益を迅速に保護する目的は、公共の福祉に合致する。次に手段の相当性について、①消費者は表示通りの品質を期待し、事業者は表示の裏付けとなる合理的根拠を有していてしかるべき立場にある。②「客観的に評価される資料を提出しない場合」に限定して適用されるため、範囲は合理的に限定されている。③本規定に基づく命令は、将来的に合理的根拠を備えた上で行う同様の表示まで制限するものではない。以上から、本規定による「なし」とみなす取扱いは、目的達成の手段として必要かつ合理的であり、立法府の合理的裁量の範囲内といえる。
結論
不当景品類及び不当表示防止法7条2項は、憲法21条1項および22条1項に違反しない。したがって、同項に基づく本件措置命令は適法である。
実務上の射程
営利的表現の自由(経済的自由)に関する制約の合憲性判定基準を具体化した判例である。事実上の挙証責任を事業者に転換する強力な行政規制であっても、消費者保護という公益目的があり、かつ制約が合理的限定(資料不提出等の手続要件)を伴う場合には、立法府の裁量として広く合憲性が認められる傾向を示す。行政法・憲法の双方で活用可能な論証である。
事件番号: 昭和60(行ツ)197 / 裁判年月日: 平成元年3月7日 / 結論: 棄却
公衆浴場法二条二項及び大阪府公衆浴場法施行条例二条は、憲法二二条一項に違反しない。
事件番号: 平成7(行ツ)93 / 裁判年月日: 平成11年12月14日 / 結論: 棄却
一 平成八年宮崎県条例第二七号による改正前の宮崎県における青少年の健全な育成に関する条例(昭和五二年宮崎県条例第二七号)一三条一項、三項、四項の規定による青少年に有害な図書類の販売等の規制は、憲法二一条一項に違反しない。 二 コンピューターゲームソフトを入力したフロッピーディスクは、簡単なクイズに答えて女子高生の衣服を…