固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合において,各筆の宅地の評点数は,画地計算法の適用により算出された当該画地の単位地積当たりの評点数に,各筆の宅地の地積を乗ずることによって算出される。
固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合における各筆の宅地の評点数の算出方法
地方税法73条の13第1項,地方税法73条の21第2項,地方税法388条1項,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第3節一,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第3節二(一)1,固定資産評価基準(昭和38年自治省告示第158号)第1章第3節別表第3の1,2
判旨
隣接する2筆以上の宅地を形状・利用状況等から一体と認め「一画地」として評価する場合、各筆の価格は、画地全体の価格を地積比により按分して算出する方法が、固定資産評価基準に定める評価方法として適法である。
問題の所在(論点)
共有物分割における不動産取得税の課税標準(地方税法73条の21第2項)を算定する際、一体利用されている複数筆の土地を一画地として評価し、その価格を地積比により按分して各筆の価格を求める手法は、固定資産評価基準に適合するか。
規範
固定資産評価基準により、隣接する2筆以上の宅地を「一画地」として認定して画地計算法を適用する場合、算出された単位地積当たりの評点数は当該画地全体に等しく当てはまる。したがって、各筆の宅地の評点数(価格)は、画地計算法により算出された画地全体の評点数に、各筆の地積を乗じて算出される(=画地全体の価格を地積比で按分する)。この手法は、共有物分割に伴う不動産取得税の課税標準算定や、各筆の所有者が異なる場合であっても同様に適用される。
重要事実
事件番号: 令和3(行ヒ)62 / 裁判年月日: 令和4年3月22日 / 結論: 棄却
複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無及び額については,分割の対象とされた個々の不動産ごとに,分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所有することとな…
AとB(被上告人)は、1筆の土地を共有(持分各2分の1)していた。両名は当該土地を2筆(本件土地1・2)に分筆した上で、共有物分割により、Aが本件土地1を、Bが本件土地2をそれぞれ単独取得した。分筆前から全体が駐車場として一体利用されていたため、課税当局は本件各土地を「一画地」と認定。画地全体の評価額を地積比で按分して本件土地1の価格を算定したところ、Aの従前持分(2分の1)を超過したとして、不動産取得税の賦課決定処分を行った。被上告人は、地積比による按分は不当であるとして処分の取消しを求めた。
あてはめ
固定資産評価基準が筆界にかかわらず「一画地」を認定するのは、形状や利用状況に即した客観的な交換価値を合理的に算定し、評価の不均衡を防ぐためである。一体と認められる画地において、各筆は画地の構成要素にすぎず、個別に客観的価値を算定するのには適さない。そうである以上、画地計算法により導かれた単位地積当たりの評点数は画地全体に等しく妥当する。本件において、当局が地積比を用いて按分計算したことは、画地全体の評点数に各筆の地積を乗じることと同義であり、評価基準の定める評価方法に合致する。また、算出された価格が適正な時価を上回る事情も認められない。
結論
地積比による按分計算を用いて本件土地1の価格を算定したことに違法はなく、本件処分は適法である。
実務上の射程
固定資産評価における「一画地評価」の算定プロセスを明確化した。共有物分割時に、地積の差のみで持分超過部分が生じる結果となっても、一体利用の実態がある限り、評価基準に基づく地積比按分は合理性を有すると判断される。実務上、評価基準の解釈として「単位地積当たりの評点数は画地全体に等しく当てはまる」という論理を援用すべき局面で有用である。
事件番号: 平成13(行ヒ)224 / 裁判年月日: 平成16年10月29日 / 結論: 破棄差戻
1 地方税法73条の21第2項に規定する不動産についてされた不動産取得税の賦課決定は,同項に基づき固定資産評価基準によって決定されたその課税標準となるべき価格が同法73条5号にいう適正な時価を上回る場合には,違法となる。 2 地方税法73条の21第2項に規定する不動産について同項により決定されるべき「不動産取得税の課税…
事件番号: 昭和51(行ツ)55 / 裁判年月日: 昭和53年4月11日 / 結論: 棄却
共有不動産の分割により他の共有者の有していた持分を取得することは、地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたる。
事件番号: 昭和59(行ツ)299 / 裁判年月日: 昭和62年1月22日 / 結論: 棄却
相続土地の共有持分の取得が相続人らにおいて第一回遺産分割協議を合意解除し改めて第二回遺産分割協議をしたことに伴うものである場合には、右取得は地方税法七三条の七第一号にいう「相続に因る不動産の取得」に該当する。
事件番号: 平成4(行ツ)196 / 裁判年月日: 平成6年4月21日 / 結論: 破棄自判
地方税法七三条の二一第一項ただし書にいう「当該固定資産の価格により難いとき」とは、当該不動産につき、固定資産税の賦課期日後に増築、改築、損壊、地目の変換その他特別の事情が生じ、その結果、固定資産課税台帳に登録された価格が当該不動産の適正な時価を示しているものということができないため、右登録価格を不動産取得税の課税標準と…