ひそかに児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条5項の児童ポルノ製造罪に当たる。
ひそかに児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と同法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否
児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条2項,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項
判旨
ひそかに児童の姿態を記録した電磁的記録を、別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は、児童ポルノ法7条5項の児童ポルノ製造罪を構成する。
問題の所在(論点)
自ら児童の姿態を電磁的記録として記録した者が、その記録を別の記録媒体に記録(複写)させる行為が、児童ポルノ法7条5項の「製造」にあたるか。
規範
児童ポルノ法7条5項にいう児童ポルノの「製造」とは、児童ポルノに該当する物を新たに作り出す行為をいう。自らひそかに児童の姿態を電磁的記録として記録媒体(マスターデータ等)に記録した者が、さらに当該電磁的記録を別の記録媒体(DVDやハードディスク等)に記録(複写・転写)させる行為も、児童ポルノという違法な表現物を具現化し、新たな客体を作り出す行為として、同項の「製造」に該当する。
重要事実
被告人は、ひそかに児童ポルノ法2条3項各号に掲げる児童の姿態を電磁的記録として記録媒体に記録した。その後、被告人は、当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させた(具体的な媒体の種類や回数、目的の詳細については判決文からは不明)。
事件番号: 平成17(あ)1342 / 裁判年月日: 平成18年2月20日 / 結論: 棄却
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる姿態を児童にとらせ,これを電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条3項の児童ポルノ製造罪に当たる。
あてはめ
本件では、被告人は既に児童の姿態を電磁的記録として保有していたが、それを「別の記録媒体に記録」させている。この行為は、既存のデータを用いて新たな児童ポルノという客体を現出させるものである。一度記録媒体に固定された情報を別媒体へ転記する行為であっても、それによって児童ポルノが新たに流通可能な形態で生み出される以上、同法が禁止する「製造」にあたると評価される。したがって、先行する記録行為があったとしても、別媒体への記録行為をもって同罪の成立を認めることができる。
結論
被告人の行為は、児童ポルノ法7条5項の児童ポルノ製造罪を構成する。
実務上の射程
本決定は、自撮りや隠し撮り等により一次的に作成されたデータを、頒布目的等で二次的な媒体(メディア)にコピーする行為が、独立して「製造」罪を構成することを明確にしたものである。
事件番号: 平成29(あ)242 / 裁判年月日: 令和2年1月27日 / 結論: 棄却
1 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」とは,写真,電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって,同項各号のいずれかに掲げる実在する児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいい,実在しない児童の…
事件番号: 平成12(あ)1769 / 裁判年月日: 平成14年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項各号に規定される「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件は、一般人の通常人が具体的場合に判断可能な基準であり、明確性の原則(憲法31条)等に反しない。 第1 事案の概要:被告人は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁…
事件番号: 平成20(あ)1703 / 裁判年月日: 平成21年7月7日 / 結論: 棄却
1 児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項の児童ポルノ提供罪と同条5項の同提供目的所持罪とは併合罪の関係にある。 2 児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,不特定…
事件番号: 平成15(あ)1348 / 裁判年月日: 平成18年5月16日 / 結論: 棄却
児童の姿態に係る画像データを記憶,蔵置させて児童ポルノ・わいせつ物である光磁気ディスクを製造し,これを所持する行為は,販売用コンパクトディスク作成に備えてのバックアップのためのものである場合には,コンパクトディスク作成の際に児童の目の部分にぼかしを入れるなどの加工を施す意思であっても,児童買春,児童ポルノに係る行為等の…