児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる姿態を児童にとらせ,これを電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条3項の児童ポルノ製造罪に当たる。
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる姿態を児童にとらせ電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを製造する行為と同法7条3項の児童ポルノ製造罪の成否
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条1項,3項
判旨
児童ポルノ法2条3項各号の姿態を児童にとらせ、これを記録媒体に記録した者が、当該電磁的記録を別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを製造する行為は、同法7条3項の児童ポルノ製造罪を構成する。
問題の所在(論点)
児童の姿態を記録した電磁的記録を、別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを作成する行為が、児童ポルノ法7条3項の「製造」に該当するか。
規範
児童ポルノ法7条3項の児童ポルノ製造罪における「製造」とは、必ずしも児童を直接撮影する行為に限られない。当初の記録媒体に記録された児童ポルノとしての電磁的記録を、別の記録媒体に記憶(コピー・移動)させる行為も、新たな児童ポルノを作成する行為として「製造」に該当する。
重要事実
被告人は、児童ポルノ法2条3項各号に掲げる姿態を児童にとらせ、その姿態を電磁的記録として記録媒体(カメラのメモリカード等)に記録した。その後、被告人はその電磁的記録を別の記録媒体(パソコンのハードディスクやCD-R等)に記憶させて児童ポルノを作成した。この二次的な記録行為が、法7条3項の「製造」に当たるかが争われた。
事件番号: 平成20(あ)1703 / 裁判年月日: 平成21年7月7日 / 結論: 棄却
1 児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項の児童ポルノ提供罪と同条5項の同提供目的所持罪とは併合罪の関係にある。 2 児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,不特定…
あてはめ
本件において、被告人は児童に法所定の姿態をとらせ、既に電磁的記録として固定された情報を、さらに「別の記録媒体に記憶」させている。この行為は、既存の児童ポルノ情報を複製または転送することによって、新たな媒体上に児童ポルノを現出させるものである。したがって、児童を直接対面して撮影する段階だけでなく、その後の記録媒体への記憶行為も、児童ポルノの供給を拡大する危険な行為として「製造」に当たると評価できる。
結論
被告人の行為は児童ポルノ製造罪(法7条3項)に該当する。上告棄却。
実務上の射程
電磁的記録の複写・移動段階でも「製造」が成立することを確認した判例である。デジタルデータ特有の「複製」の容易性を踏まえ、児童を直接撮影する行為者自身による二次的記録についても処罰範囲に含めるべきことを示しており、実務上、捜査段階での罪数判断や立証対象の特定において重要な指針となる。
事件番号: 平成31(あ)506 / 裁判年月日: 令和元年11月12日 / 結論: 棄却
ひそかに児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条5項の児童ポルノ製造罪に当たる。
事件番号: 平成12(あ)1769 / 裁判年月日: 平成14年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項各号に規定される「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件は、一般人の通常人が具体的場合に判断可能な基準であり、明確性の原則(憲法31条)等に反しない。 第1 事案の概要:被告人は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁…
事件番号: 平成15(あ)1348 / 裁判年月日: 平成18年5月16日 / 結論: 棄却
児童の姿態に係る画像データを記憶,蔵置させて児童ポルノ・わいせつ物である光磁気ディスクを製造し,これを所持する行為は,販売用コンパクトディスク作成に備えてのバックアップのためのものである場合には,コンパクトディスク作成の際に児童の目の部分にぼかしを入れるなどの加工を施す意思であっても,児童買春,児童ポルノに係る行為等の…
事件番号: 平成29(あ)242 / 裁判年月日: 令和2年1月27日 / 結論: 棄却
1 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」とは,写真,電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって,同項各号のいずれかに掲げる実在する児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいい,実在しない児童の…