児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条2項,2条3項2号,3号と憲法13条,21条,31条
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項2号,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項3号,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条2項,憲法13条,憲法21条,憲法31条
判旨
児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項各号に規定される「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件は、一般人の通常人が具体的場合に判断可能な基準であり、明確性の原則(憲法31条)等に反しない。
問題の所在(論点)
児童ポルノ禁止法2条3項2号、3号にいう「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という文言は、不明確ゆえに憲法31条(および21条)に違反し、無効とならないか。
規範
法規の規定が曖昧として憲法31条に違反するか否かは、一般の通常人の判断能力を基準として、当該具体的場合にその行為が当該規定の適用を受けるかどうかを判断することが可能といえるか否かによって決すべきである。
重要事実
被告人は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁止法)7条2項(児童ポルノの提供等)の罪に問われた。対象となったビデオテープ(本件ビデオテープ)が、同法2条3項2号および3号に規定される「性欲を興奮させ又は刺激するもの」に該当するかが争われた。弁護人は、当該文言が不明確であり、表現の自由(憲法21条)や適正手続(憲法31条)に違反すると主張した。
あてはめ
本件における「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という基準は、児童の権利保護という立法趣旨や、社会通念上の性道徳に照らして検討されるものである。このような基準は、個別の具体的場面において、どのような画像や映像が該当するかを一般の通常人が予見・判断することが可能な程度に具体的な内容を備えている。したがって、当該文言が法執行者の恣意的な運用を招くほどに漠然不明確であるとはいえない。
事件番号: 平成20(あ)1703 / 裁判年月日: 平成21年7月7日 / 結論: 棄却
1 児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項の児童ポルノ提供罪と同条5項の同提供目的所持罪とは併合罪の関係にある。 2 児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,不特定…
結論
本件文言は憲法31条、21条等に違反しない。したがって、原判決の認定に基づき本件規定を適用することは適憲である。
実務上の射程
刑事罰を科す法規の明確性に関するリーディングケースの一つ。答案上では、特に性表現や規制範囲が問題となる場面で、明確性の原則の判断枠組み(一般の通常人の基準)を引用する際に活用できる。また、児童ポルノ規制が表現の自由を不当に侵害しない根拠として、既存のわいせつ物規制に関する大法廷判例の流れを汲むものとして位置づけられる。
事件番号: 平成17(あ)1342 / 裁判年月日: 平成18年2月20日 / 結論: 棄却
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる姿態を児童にとらせ,これを電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が,当該電磁的記録を別の記録媒体に記憶させて児童ポルノを製造する行為は,同法7条3項の児童ポルノ製造罪に当たる。
事件番号: 平成23(あ)1567 / 裁判年月日: 平成24年6月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】児童買春・児童ポルノ禁止法が児童ポルノに係る行為等を処罰することは、児童に対する性的搾取・虐待が児童の権利を著しく侵害する重大性に鑑み、児童の権利を擁護する目的によるものであって、憲法13条及び24条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に…
事件番号: 平成21(あ)2082 / 裁判年月日: 平成24年7月9日
【結論(判旨の要点)】インターネット上のウェブページに第三者が公然陳列している児童ポルノのURLを掲載する行為は、児童ポルノ法7条4項の「公然と陳列」したに該当する。 第1 事案の概要:被告人は、共犯者と共謀の上、共犯者が開設した掲示板サイトに、第三者が他のウェブページ上に公然陳列していた児童ポルノのURLを掲載した。…
事件番号: 平成29(あ)242 / 裁判年月日: 令和2年1月27日 / 結論: 棄却
1 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」とは,写真,電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって,同項各号のいずれかに掲げる実在する児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいい,実在しない児童の…