児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項前段の規定は,児童の権利(性的自由)を侵害するから憲法13条,24条に違反するとの主張が,欠前提処理された事例
憲法13条,憲法24条,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項前段
判旨
児童買春・児童ポルノ禁止法が児童ポルノに係る行為等を処罰することは、児童に対する性的搾取・虐待が児童の権利を著しく侵害する重大性に鑑み、児童の権利を擁護する目的によるものであって、憲法13条及び24条に違反しない。
問題の所在(論点)
児童買春・児童ポルノ禁止法による児童ポルノに係る行為の処罰が、児童の権利を侵害し憲法13条及び24条に違反するか。
規範
児童ポルノに係る行為等の処罰規定の合憲性は、当該規定が児童に対する性的搾取及び性的虐待という重大な権利侵害から児童を保護し、その権利を擁護するという正当な目的を有しているか、及びその手段が目的に照らして合理的かという観点から判断される。
重要事実
被告人は児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反に問われた。弁護人は、原判決が児童の権利を侵害しているとして憲法13条(幸福追求権)及び24条(家族生活における個人の尊厳等)違反を主張し、上告した。
あてはめ
児童ポルノに係る行為等を処罰することは、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害するという重大な事実に着目したものである。この処罰は児童の権利を擁護することを目的としており、憲法が保障する個人の尊厳や幸福追求権を侵害するものではなく、むしろこれらを実現するための合理的な制約であると解される。したがって、弁護人の憲法違反の主張は前提を欠くものである。
事件番号: 平成12(あ)1769 / 裁判年月日: 平成14年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】児童買春・児童ポルノ禁止法2条3項各号に規定される「性欲を興奮させ又は刺激するもの」という要件は、一般人の通常人が具体的場合に判断可能な基準であり、明確性の原則(憲法31条)等に反しない。 第1 事案の概要:被告人は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁…
結論
児童買春・児童ポルノ禁止法の規定は、児童の権利擁護を目的とするものであり、憲法13条、24条に違反しない。
実務上の射程
本決定は、児童ポルノ処罰の合憲性を簡潔に肯定したものである。答案上は、性的表現の自由(憲法21条)や幸福追求権(13条)との関係が問題となる場面で、児童の保護という目的の正当性と重大性を基礎付ける根拠として引用すべきである。また、具体的適用の違憲性が争われる際にも、法の目的が「児童の権利擁護」にあるという本決定の趣旨を基本に据えることが求められる。
事件番号: 平成29(あ)242 / 裁判年月日: 令和2年1月27日 / 結論: 棄却
1 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)2条3項にいう「児童ポルノ」とは,写真,電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって,同項各号のいずれかに掲げる実在する児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいい,実在しない児童の…
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事件番号: 平成20(あ)1703 / 裁判年月日: 平成21年7月7日 / 結論: 棄却
1 児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項の児童ポルノ提供罪と同条5項の同提供目的所持罪とは併合罪の関係にある。 2 児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,不特定…
事件番号: 令和6(あ)504 / 裁判年月日: 令和7年12月23日 / 結論: 棄却
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