1 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定は,平成27年4月12日施行の千葉県議会議員一般選挙当時,公職選挙法(平成26年法律第42号による改正前のもの)15条8項に違反していたものとはいえない。 2 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定は,平成27年4月12日施行の千葉県議会議員一般選挙当時,憲法14条1項に違反していたものとはいえない。
1 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の適法性 2 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定の合憲性
(1,2につき) 公職選挙法(平成26年法律第42号による改正前のもの)15条8項,千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)2条 (2につき) 憲法14条1項
判旨
都道府県議会議員選挙の定数配分が公職選挙法15条8項に適合するかは、議会の裁量権の合理的な行使といえるかにより決すべきである。最大較差1対2.51の不平等は、地域間の均衡や制度の安定性を考慮すれば、一般的合理性を欠く程度に達しておらず、憲法14条1項にも違反しない。
問題の所在(論点)
都道府県議会議員の定数配分規定が、公職選挙法15条8項(人口比例配分原則)及び憲法14条1項(法の下の平等・投票価値の平等)に違反し、裁量権の限界を超えて無効となるか。
規範
都道府県議会議員の定数配分において、公職選挙法15条8項は人口比例を基本としつつ、同項但書により「特別の事情」に基づく地域間均衡の考慮を認めている。この修正の要否・程度は議会の合理的な裁量に委ねられる。具体的には、①較差が地域間均衡を考慮しても一般的合理性を有しない程度に達し、正当化すべき特段の理由がない場合、又は②定数配分時の「特別の事情」の評価が合理性を欠き、若しくは選挙時にその合理性の基礎が失われた場合に、裁量権の限界を超え違法となる。
重要事実
千葉県議会議員選挙(本件選挙)において、本件条例の定数配分規定に基づき46選挙区に95人が配分された。本件選挙当時の最大格差は1対2.51であり、人口の多い選挙区の定数が少ない選挙区より少ない「逆転現象」が4通り存在した。もっとも、公職選挙法15条8項本文(人口比例原則)を厳密に適用した場合の最大較差は1対2.60となり、本件規定による較差はこれを下回っていた。
あてはめ
本件の最大較差1対2.51は、人口比例を厳密に適用した場合の較差1対2.60を下回っている。また、逆転現象も4通り(定数差1名)に留まっている。これらは、各地方公共団体の実情に応じた地域特有の事情や、選挙制度の安定性の要請を勘案し、地域間の均衡を図るための裁量の範囲内といえる。したがって、投票価値の不平等が一般的合理性を欠く程度に達しているとはいえず、定数配分時の「特別の事情」の評価が合理性を欠く、あるいはその基礎が失われたとも認められない。
結論
本件定数配分規定は公職選挙法15条8項に違反せず、憲法14条1項にも違反しないため、本件選挙は有効である。
実務上の射程
地方議会議員の選挙における定数配分規定の合憲性・適法性判断に共通する枠組みである。特に「人口比例を厳密に適用した場合よりも較差が縮小している」という事実は、議会の裁量の合理性を肯定する強力な考慮要素として機能する。
事件番号: 平成26(行ツ)103 / 裁判年月日: 平成27年1月15日 / 結論: 棄却
1 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定は,平成25年6月23日施行の東京都議会議員選挙当時,公職選挙法15条8項に違反していたものとはいえない。 2 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44…