1 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定は,平成25年6月23日施行の東京都議会議員選挙当時,公職選挙法15条8項に違反していたものとはいえない。 2 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定は,平成25年6月23日施行の東京都議会議員選挙当時,憲法14条1項等に違反していたものとはいえない。 (1,2につき補足意見がある。)
1 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定の適法性 2 東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)の議員定数配分規定の合憲性
(1,2につき)公職選挙法15条8項,東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)3条 (2につき)憲法前文第1段,憲法1条,憲法14条1項,憲法15条1項,憲法15条3項,憲法43条1項,憲法44条,憲法92条,憲法93条
判旨
都道府県議会議員選挙における定数配分規定が公職選挙法15条8項及び憲法14条1項等に適合するか否かは、都道府県議会に与えられた裁量権の合理的な行使といえるか否かによって決すべきであり、本件東京都議会議員選挙当時の最大較差1.92倍は、合理的裁量の限界を超えたものとはいえず合憲・適法である。
問題の所在(論点)
東京都議会議員の定数配分規定が、公職選挙法15条8項(人口比例原則)および憲法14条1項等(投票価値の平等)に違反し、無効となるか。
規範
都道府県議会議員の定数配分は、人口比例を最も重要かつ基本的な基準としつつも(公職選挙法15条8項本文)、地域間の均衡を図るため通常考慮し得る諸般の要素を斟酌する裁量権が議会に認められる(同項但書)。 したがって、定数配分が違法・違憲となるのは、①投票価値の較差が一般的に合理性を有するものと考えられない程度(最大較差2倍超が一つの目安)に達し、かつ正当化すべき特段の理由がない場合、あるいは、②同項但書の「特別の事情」があるとの評価が合理性を欠くか、その後の事情変更により合理性の基礎が失われた場合である。
重要事実
1. 昭和44年、昼間人口の急増等の行政需要(特別の事情)を考慮し、人口比例を修正した本件条例が制定された。 2. 以後、数次の改正(平成4年、平成13年等)を経て漸次的に較差是正が図られてきた。 3. 平成25年施行の本件選挙当時、特例選挙区を除いた最大較差は1.92倍であった。 4. 人口比定数と差異がある選挙区は13存在し、逆転現象も12通り(うち定数差2人が1通り)存在した。 5. 都議会の検討会は、較差が2倍未満であることを踏まえ、現行配分の維持を決定していた。
あてはめ
1. 較差の程度:最大較差は1.92倍であり、2倍を下回っている。逆転現象も減少傾向にあることから、地域間の均衡を図るために通常考慮し得る要素を斟酌してもなお一般的合理性を欠く程度に達しているとはいえない。 2. 特別の事情の合理性:都市中心部の昼間人口増加に伴う行政需要を考慮することは、同項但書の趣旨に照らして合理性がある。過去の改正経緯や、選挙直前の都議会による現状維持の判断プロセスを見ても、制度の安定性を考慮しつつ漸次的に是正が行われており、裁量の基礎となる事情が失われたともいえない。 3. 手続的要件:所論のように、条例改正を行わない場合に特段の議決等の手続を経ることまでは、同項の適合性を判断する要件として必要とされない。
結論
本件選挙当時における本件条例の定数配分規定は、東京都議会の合理的裁量の限界を超えるものとはいえず、公職選挙法15条8項および憲法の各規定に違反しない。
実務上の射程
都道府県議会選挙において「最大較差2倍未満」かつ「是正の継続性」が認められる場合、昼間人口等の地域的特殊性を理由とする人口比例の修正は、広範な議会裁量として正当化されやすいことを示している。
事件番号: 平成28(行ツ)115 / 裁判年月日: 平成28年10月18日 / 結論: 棄却
1 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県条例第55号)の議員定数配分規定は,平成27年4月12日施行の千葉県議会議員一般選挙当時,公職選挙法(平成26年法律第42号による改正前のもの)15条8項に違反していたものとはいえない。 2 千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例(昭和49年千葉県…