退職一時金に付加して返還すべき利子の利率の定めを政令に委任する国家公務員共済組合法(平成24年法律第63号による改正前のもの)附則12条の12第4項及び同条の経過措置を定める厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)附則30条1項は,憲法41条及び73条6号に違反しない。
国家公務員共済組合法(平成24年法律第63号による改正前のもの)附則12条の12第4項及び厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)附則30条1項と憲法41条及び73条6号
憲法41条,憲法73条6号,国家公務員共済組合法(平成24年法律第63号による改正前のもの)附則12条の12,厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成8年法律第82号)附則30条1項,厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う国家公務員共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令(平成9年政令第86号)4条1項,厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う国家公務員共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令(平成9年政令第86号)4条2項
判旨
国家公務員共済組合法附則12条の12第4項及びこれに基づく本件政令の利率規定は、憲法41条及び73条6号に違反せず、適法である。
問題の所在(論点)
国家公務員共済組合法附則12条の12第4項(及び関連政令)が、利子の利率の定めを包括的に政令に委任しているとして、憲法41条(立法権の独占)及び73条6号(委任命令)に違反しないか。
規範
法律がその規定を政令に委任する場合、委任の趣旨が当該法律の目的、他の規定との関係等から客観的に確定でき、政令の内容がその趣旨に沿うものであるならば、白地・包括的な委任として憲法41条等に違反することはない。具体的には、重複支給の調整措置としての性質や、年金財源の予定運用収入に係る利率との均衡といった考慮要素が、法律全体の構造から読み取れる場合には、具体的な利率の定めを政令に委任することも許容される。
重要事実
被上告人は電電公社退職時に退職一時金を受領したが、後に老齢厚生年金等の受給権を得た。上告人(企業年金基金)は、法令に基づき、一時金に利息(年5.5%、複利)を加算した額の返還を請求した。被上告人は、利率の定めを政令に委任した法律の規定は白地委任であり無効であると主張し、返還義務の範囲を争った。
あてはめ
本件返還制度は、同一の組合員期間に対する一時金と年金の重複支給を避ける調整措置である。国公共済法は長期給付の財源について予定運用収入との財政均衡を求めており、一時金に付加する利子もこの「予定運用収入に係る利率(年5.5%等)」との均衡を考慮して定められるべきことが法律の趣旨から理解できる。したがって、本規定は白地で包括的な委任とはいえない。また、本件政令の利率は年金財源の予定運用利率に連動して定められており、委任の趣旨に沿う合理的なものである。原審がいう「不当利得返還(民法)の特別規定」ではなく、年金制度上の調整規定であるから、民法の法定利率に拘束されるものでもない。
結論
本件委任規定及び政令の規定は合憲・適法であり、上告人による利子相当額を含めた返還請求は認められる。
実務上の射程
年金・共済制度等の社会保障分野において、数理的計算や財政均衡を要する技術的事項(利率等)の政令委任については、制度趣旨から判断基準が導き出せる限り、広範な委任が認められることを示した。
事件番号: 平成17(受)1344 / 裁判年月日: 平成18年1月23日 / 結論: 棄却
1 破産者は,破産手続中に自由財産の中から破産債権に対して任意の弁済をすることを妨げられない。 2 地方公務員共済組合の組合員の破産手続中にその自由財産である退職手当の中から地方公務員等共済組合法115条2項所定の方法により組合員の組合に対する貸付金債務についてされた弁済が,組合員による任意の弁済であるというためには,…