当事者が準備書面の直送をするためにした支出については,民事訴訟費用等に関する法律2条2号の規定は類推適用されない。
当事者が準備書面の直送をするためにした支出と民事訴訟費用等に関する法律2条2号の類推適用
民訴法第1編第4章第1節 訴訟費用の負担,民訴規則47条,民訴規則83条,民事訴訟費用等に関する法律2条,民事訴訟費用等に関する法律11条
判旨
当事者が準備書面の直送をするために支出した郵便料金は、民事訴訟費用等に関する法律2条2号の類推適用により訴訟費用に含まれることはない。
問題の所在(論点)
当事者が民事訴訟法等の規定に基づき準備書面を直送するために支出した郵便料金は、費用法2条2号の類推適用により「訴訟費用」に含まれるか。
規範
民事訴訟費用等に関する法律2条2号は、裁判所の手続上の行為に伴う支出を費用として明確化する趣旨である。これに対し、当事者の支出は、同法2条4号ないし10号が定型的・画一的に定める。直送は多様な方法が可能で定型的な支出が想定されず、費用に当たるとすると相手方の予測可能性を害するため、同法2条2号を類推適用することはできない。
重要事実
抗告人は相手方に対する立替金請求訴訟において、準備書面を直送するために郵便料金を支出した。裁判所書記官が行った訴訟費用額確定処分に対し、抗告人は当該郵便料金が民事訴訟費用等に関する法律(以下「費用法」)2条2号の類推適用により訴訟費用に含まれるべきであると主張して異議を申し立てた。
事件番号: 昭和42(ク)56 / 裁判年月日: 昭和42年5月19日 / 結論: 棄却
当事者本人尋問が嘱託によつて行なわれた場合において、その証拠調期日に右当事者の訴訟代理人が出頭するに要した費用は、訴訟費用に含まれる。
あてはめ
本件郵便料金は、裁判所の手続上の行為に伴う支出ではなく、当事者が予納義務を負担する性質のものでもない。また、直送は送付方法が多様であり、定型的な支出とはいえない。このような性質の支出を訴訟費用に含めると、敗訴の可能性がある相手方当事者にとって、最終的に負担すべき訴訟費用の額についての予測を著しく困難にする。したがって、費用法2条2号の趣旨は及ばない。
結論
準備書面の直送に要した郵便料金は、費用法2条2号の類推適用により訴訟費用に含まれることはなく、抗告人の主張は認められない。
実務上の射程
訴訟費用の範囲を定める費用法2条各号の解釈において、同条が限定列挙であることを前提とし、当事者の主体的行動に伴う実費が類推適用によって拡大されることを否定した判例である。民事訴訟の実務において、直送費用は各当事者の自己負担となることが確定した。
事件番号: 平成26(許)36 / 裁判年月日: 平成27年5月19日 / 結論: 破棄自判
労働基準法114条の付加金の請求については,同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは,民訴法9条2項にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして,その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されない。
事件番号: 昭和56(し)66 / 裁判年月日: 昭和56年6月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】即時抗告を棄却する決定に対して異議を申し立てることはできず、これに対する特別抗告は不適法である。また、特別抗告の提起期間は刑訴法433条2項に基づき、告知の日から5日以内と厳格に解される。 第1 事案の概要:申立人は、大阪地方裁判所になされた訴訟費用執行免除の申立てを却下する決定に対し、即時抗告を…
事件番号: 令和5(許)1 / 裁判年月日: 令和5年10月19日 / 結論: 破棄差戻
1 共同して訴えを提起した各原告の請求の価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする場合において、訴え提起の手数料につき各原告に対する訴訟上の救助の付与対象となるべき額は、上記訴訟の目的の価額を基礎として算出される訴え提起の手数料の額を各原告の請求の価額に応じて案分して得た額に限られる。 2 共同して訴えを提起した各原告…
事件番号: 昭和38(す)367 / 裁判年月日: 昭和39年2月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事裁判の確定判決に基づく訴訟費用の徴収手続において、本案の訴訟費用と、別途の決定に基づき確定した付随的手続の訴訟費用を個別に納付告知することは、二重の執行には当たらず適法である。 第1 事案の概要:窃盗被告事件の被告人(申立人)に対し、第一審から上告審までの本案に関する訴訟費用1万400円の負担…