即時抗告棄却決定に対する異議申立棄却決定に対する特別抗告の適否
判旨
即時抗告を棄却する決定に対して異議を申し立てることはできず、これに対する特別抗告は不適法である。また、特別抗告の提起期間は刑訴法433条2項に基づき、告知の日から5日以内と厳格に解される。
問題の所在(論点)
刑事手続における即時抗告棄却決定に対する異議申立ての可否、および不適法な手続を経た後の特別抗告の適法性(申立期間の遵守を含む)。
規範
1. 即時抗告棄却決定に対しては、刑事訴訟法上、不服申し立ての手法として異議申し立てを行うことは認められない。 2. 最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、同条2項に定める期間(告知を受けた日から5日以内)を経過した後は不適法となる。
重要事実
申立人は、大阪地方裁判所になされた訴訟費用執行免除の申立てを却下する決定に対し、即時抗告を申し立てた。同即時抗告が棄却されたため、さらにこれに対する異議を申し立てたが棄却された。申立人は、当該異議申立棄却決定に対して特別抗告を申し立てたものである。
あてはめ
本件において、申立人は即時抗告棄却決定に対して異議を申し立てているが、刑事訴訟法上、かかる決定に対して異議を申し立てることはできない。したがって、異議申立自体が不適法であり、その棄却決定に対する本件特別抗告も不適法といわざるをえない。仮に、本件特別抗告を当初の即時抗告棄却決定に対するものとみなしたとしても、刑訴法433条2項に定める5日の期間を経過した後の申立てであるため、期間徒過により不適法である。
結論
本件特別抗告は不適法であり、棄却される。
事件番号: 昭和56(す)63 / 裁判年月日: 昭和56年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に基づく刑の執行に関する異議の申立ては、刑の言渡しをした確定裁判を対象とすべきであり、抗告棄却決定に対しては許されない。 第1 事案の概要:申立人が、抗告棄却決定を対象として刑訴法501条に基づく申立てを行った事案。 第2 問題の所在(論点):刑訴法501条に基づき、検察官の執行…
実務上の射程
刑事手続における不服申立ての適法性を判断する際の基礎的な射程を有する。特に、本来認められない異議申立てを経由して特別抗告を行うことで、実質的に特別抗告の期間制限を潜脱することを認めない趣旨であり、実務上は上訴期間の遵守と不服申立ての種類の峻別が重要となる。
事件番号: 昭和57(し)97 / 裁判年月日: 昭和57年12月14日 / 結論: その他
申立提起期間内にされた異議の申立を右期間経過後にされた不敵法なものとして誤つて棄却決定をした原裁判所は、同決定に対する特別抗告の申立があつたときは、刑訴法四二三条二項により右決定を更正して新たな決定をすべきである。
事件番号: 昭和36(し)36 / 裁判年月日: 昭和36年8月28日 / 結論: 棄却
一 検察官が裁判の執行指揮その他の処分をする以前になされた裁判の執行に関する異議の申立は不適法である。 二 裁判の執行に関する異議において、裁判の内容そのものの不当を主張し、あるいは現行刑罰制度ないし行刑制度を非難することは許されない。
事件番号: 昭和46(す)182 / 裁判年月日: 昭和46年10月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした訴訟費用執行免除申立に対する棄却決定に対し、異議の申立てを行うことは法的に許容されない。不服申立ての根拠を欠くため、かかる申立ては不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:申立人は、殺人および死体遺棄の被告事件に関連し、最高裁判所が昭和46年10月13日に行った訴訟費…
事件番号: 昭和46(し)94 / 裁判年月日: 昭和46年11月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不服申立に対する却下決定に対し特別抗告を申し立てる場合、その理由は当該却下決定自体の憲法違反等でなければならず、前審の判断内容を争う事由は不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、管轄移送申立を却下する決定に対し即時抗告をしたが、これも棄却された。当該棄却決定は申立人に送達され、これに対して直接…