判旨
刑事裁判の確定判決に基づく訴訟費用の徴収手続において、本案の訴訟費用と、別途の決定に基づき確定した付随的手続の訴訟費用を個別に納付告知することは、二重の執行には当たらず適法である。
問題の所在(論点)
同一の刑事被告事件に関して、本案判決に基づく訴訟費用と、付随的な申立て手続(勾留理由開示等)に基づく訴訟費用を、別々の検察庁が個別の納付告知書により徴収することの適否。
規範
訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行について、性質の異なる複数の裁判(本案判決と付随的手続に関する決定等)に基づく費用が存在する場合、各々の裁判の結果及び確定時期に応じて、別個に調定・告知を行うことは、適正な徴収手続として許容される。
重要事実
窃盗被告事件の被告人(申立人)に対し、第一審から上告審までの本案に関する訴訟費用1万400円の負担を命ずる裁判が確定し、最高検察庁が納付告知を行った。一方で、申立人が請求した勾留理由開示手続に要した国選弁護人日当700円についても、別途負担を命ずる決定がなされていた。この700円については執行免除申立がなされていたため、本案の調定からは除外されていたが、免除申立却下決定が確定した後に、仙台高等検察庁秋田支部が別途700円の納付告知を行った。申立人は、同一事件について二重の執行がなされており不当であるとして異議を申し立てた。
あてはめ
最高検察庁による1万400円の告知は、第一審から上告審までの本案確定記録に基づき調定されたものである。対して、仙台高検秋田支部による700円の告知は、勾留理由開示手続という付随的手続に関する決定に基づき、その執行免除申立が却下・確定したことを受けてなされたものである。両者は依拠する裁判の対象及び確定の経緯が異なる。したがって、これらを個別に徴収する手続には重複する点はなく、二重の執行には当たらないと評価される。
結論
本件各納付告知は適法な徴収手続であり、二重の執行とする申立人の主張には理由がないため、本件申立てを棄却する。
事件番号: 昭和29(す)145 / 裁判年月日: 昭和29年5月25日 / 結論: 棄却
申立人主張のような事由(訴訟費用負担の執行免除の申立を刑務官吏によつて妨げられた旨の主張)は、前記訴訟費用の負担を命ずる裁判について検察官のした執行に関する処分を不当とすべき根拠にはならないから、本件申立は理由がないものとして棄却すべきである。
実務上の射程
刑事訴訟法第181条以下の訴訟費用負担の執行手続に関する判断である。本案判決以外の付随的決定(勾留理由開示や証拠保全等)による費用負担が発生し、その確定時期が異なる実務上の場面において、分割して徴収告知を行うことの正当性を基礎づける際に参照すべき事例である。
事件番号: 昭和37(ク)360 / 裁判年月日: 昭和38年2月22日 / 結論: 棄却
違反しない。
事件番号: 平成26(許)19 / 裁判年月日: 平成26年11月27日 / 結論: 棄却
当事者が準備書面の直送をするためにした支出については,民事訴訟費用等に関する法律2条2号の規定は類推適用されない。
事件番号: 昭和46(す)182 / 裁判年月日: 昭和46年10月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした訴訟費用執行免除申立に対する棄却決定に対し、異議の申立てを行うことは法的に許容されない。不服申立ての根拠を欠くため、かかる申立ては不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:申立人は、殺人および死体遺棄の被告事件に関連し、最高裁判所が昭和46年10月13日に行った訴訟費…
事件番号: 平成26(す)765 / 裁判年月日: 平成27年2月23日 / 結論: 棄却
訴訟費用負担の裁判の執行について,刑訴法490条1項による徴収命令の出される前であっても,同法472条による検察官の執行指揮に基づく納付告知及び督促があったときは,同法502条の異議申立てをすることができる。