申立人主張のような事由(訴訟費用負担の執行免除の申立を刑務官吏によつて妨げられた旨の主張)は、前記訴訟費用の負担を命ずる裁判について検察官のした執行に関する処分を不当とすべき根拠にはならないから、本件申立は理由がないものとして棄却すべきである。
訴訟費用負担の裁判の執行処分に関する異議申立が理由のない一場合
刑訴法181条,刑訴法500条,刑訴法502条
判旨
訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行に関し、検察官の処分の不当を理由とする異議の申し立ては、その理由が認められない場合には棄却される。また、訴訟費用の執行免除の申し立てとして構成する場合であっても、法定の期間を経過した後は適法になし得ない。
問題の所在(論点)
訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行に関する検察官の処分の適否、および訴訟費用の執行免除申し立ての適法性(期間制限)。
規範
訴訟費用の負担を命ずる裁判の執行について、検察官のした処分に不服がある場合は刑事訴訟法に基づく異議の申し立てが可能であるが、その処分の不当性を基礎付ける客観的事由が必要である。また、訴訟費用の執行免除を求める場合は、同法に定める法定期間内に申し立てることを要する。
重要事実
申立人は、自身に対し訴訟費用の負担を命じた裁判に基づき検察官が執った執行処分に対し、不服を申し立てた。申立の具体的な内容は判決文からは不明であるが、検察官による執行処分を不当とする事由の有無、および仮に執行免除の申し立てと解した場合の期間制限が問題となった。
事件番号: 昭和57(せ)35 / 裁判年月日: 昭和57年5月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟費用の執行免除の申立てを弁護人が代理して行うには、被告人から当該申立てに関する具体的な委任を受けていることの証明を要し、証明がない場合は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人Aほか8名に対する兇器準備集合等の被告事件において、元弁護人であった申立人が、被告人らに科された訴訟費用負担…
あてはめ
申立人が主張する事由は、検討の結果、訴訟費用の負担を命ずる裁判について検察官が行った執行処分を不当とすべき根拠にはならないと判断される。さらに、本件申し立てを訴訟費用の執行免除を求めるものと解釈したとしても、既に法律が定める申し立ての期間を経過しているため、形式的要件を欠いているといえる。
結論
本件申立は理由がないものとして、あるいは法定期間経過後の不適法なものとして棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟における訴訟費用負担の執行段階での争い方を整理する際に参照される。執行に関する異議(刑訴法502条)の要件と、執行免除の申し立て(刑訴法500条)の期間制限という二つの法制度の峻別および期間遵守の重要性を示すものである。
事件番号: 昭和25(せ)44 / 裁判年月日: 昭和25年11月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法に基づく訴訟費用の執行免除の申立てにおいて、申立人が貧困のため訴訟費用を完納することができないと認められない場合には、当該申立ては棄却される。 第1 事案の概要:窃盗被告事件につき、昭和25年9月26日に言い渡された訴訟費用負担の裁判に対し、申立人はその執行免除を申し立てた。しかし、裁判…
事件番号: 平成26(す)765 / 裁判年月日: 平成27年2月23日 / 結論: 棄却
訴訟費用負担の裁判の執行について,刑訴法490条1項による徴収命令の出される前であっても,同法472条による検察官の執行指揮に基づく納付告知及び督促があったときは,同法502条の異議申立てをすることができる。
事件番号: 昭和30(し)16 / 裁判年月日: 昭和30年4月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人が貧困であることを理由に訴訟費用の負担を命じることが憲法に違反するという主張は、実質的には単なる法令違反の主張にすぎず、特別抗告の理由とはならない。 第1 事案の概要:抗告人は、自身が貧困であるにもかかわらず訴訟費用を負担させることとした原決定を不服とし、それが憲法に違反するものであるとして…
事件番号: 昭和46(す)182 / 裁判年月日: 昭和46年10月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした訴訟費用執行免除申立に対する棄却決定に対し、異議の申立てを行うことは法的に許容されない。不服申立ての根拠を欠くため、かかる申立ては不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:申立人は、殺人および死体遺棄の被告事件に関連し、最高裁判所が昭和46年10月13日に行った訴訟費…