判旨
刑事訴訟法に基づく訴訟費用の執行免除の申立てにおいて、申立人が貧困のため訴訟費用を完納することができないと認められない場合には、当該申立ては棄却される。
問題の所在(論点)
刑事手続において、確定した訴訟費用の負担を免れるための執行免除申立て(刑訴法500条)が認められるための要件は何か。
規範
刑事訴訟法(本件決定当時の現行法500条参照)に基づき、訴訟費用の執行免除が認められるためには、申立人が「貧困のためこれを完納することができない」という要件を満たす必要がある。
重要事実
窃盗被告事件につき、昭和25年9月26日に言い渡された訴訟費用負担の裁判に対し、申立人はその執行免除を申し立てた。しかし、裁判所は申立人の資力等の具体的状況に照らし、完納不能の状態にあるとは判断しなかった。
あてはめ
本件において、申立人が「貧困のため訴訟費用を完納することができない」状況にあるか検討されたが、事案の諸事情に照らしてそのような困窮状態にあるとは認められないと評価された。
結論
申立人が貧困により完納不能であるとは認められないため、本件執行免除の申立ては棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟法上の訴訟費用免除の申立てに関する実務上の判断基準を確認するものである。答案上は、訴訟費用の負担が憲法上の裁判を受ける権利を侵害しないかの議論において、本条のような救済措置が存在することの根拠として言及し得る。
事件番号: 昭和54(せ)65 / 裁判年月日: 昭和54年6月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟費用の執行免除の申立ては、刑事訴訟法500条2項所定の期間内になされる必要があり、かつ、弁護人が代理して申し立てる場合には、被告人からの申立ての委任を要する。 第1 事案の概要:偽造有価証券行使被告事件の被告人に対し、第一審および原審において訴訟費用負担の裁判がなされた。これに対し、弁護人であ…
事件番号: 昭和54(す)113 / 裁判年月日: 昭和54年7月2日 / 結論: 棄却
訴訟費用執行免除申立権の回復請求は不適法である。
事件番号: 昭和28(せ)234 / 裁判年月日: 昭和28年10月6日 / 結論: 棄却
訴訟費用の負担を命ぜられた者たる被告人から特に申立についての委任をうけなかつた場合に、国選弁護人のなした執行免除の申立は不適法である。
事件番号: 昭和57(せ)35 / 裁判年月日: 昭和57年5月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】訴訟費用の執行免除の申立てを弁護人が代理して行うには、被告人から当該申立てに関する具体的な委任を受けていることの証明を要し、証明がない場合は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人Aほか8名に対する兇器準備集合等の被告事件において、元弁護人であった申立人が、被告人らに科された訴訟費用負担…
事件番号: 昭和29(す)145 / 裁判年月日: 昭和29年5月25日 / 結論: 棄却
申立人主張のような事由(訴訟費用負担の執行免除の申立を刑務官吏によつて妨げられた旨の主張)は、前記訴訟費用の負担を命ずる裁判について検察官のした執行に関する処分を不当とすべき根拠にはならないから、本件申立は理由がないものとして棄却すべきである。