1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。 2 独立当事者参加の申出は,参加人が参加を申し出た訴訟において裁判を受けるべき請求を提出しなければならず,単に当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加の申出は許されない。 (2につき意見及び反対意見がある。)
1 株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決に対する再審の訴えと上記確定判決の効力を受ける第三者の原告適格 2 当事者の一方の請求に対して訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの独立当事者参加の申出の適否
(1,2につき)民訴法47条 (1につき)会社法833条1項,会社法838条,民訴法第1編第3章 当事者,民訴法338条
判旨
株式会社の解散の訴えに係る確定判決に対し、株主が独立当事者参加の申出をして再審の訴えを提起する場合、当事者の一方又は双方に対する独自の請求を定立する必要があり、単に請求棄却を求めるのみでは原告適格を欠き不適法である。
問題の所在(論点)
株式会社の解散の訴えの確定判決に対し、株主が独立当事者参加の手法を用いて再審の訴えを提起する場合、独自の請求の定立がない参加申出によって再審の原告適格が認められるか(独立当事者参加における請求定立の要否)。
規範
1. 新株発行無効の訴えと同様、判決の効力が第三者に及ぶ株式会社の解散の訴え(会社法838条)においても、当該判決の効力を受ける第三者は、独立当事者参加(民訴法47条1項)の申出をすることによって、再審の訴えの原告適格を有する。 2. 独立当事者参加の申出においては、参加人が裁判を受けるべき独自の請求を提出しなければならず、単に当事者の一方の請求に対する訴え却下又は請求棄却の判決を求めるのみの参加申出は不適法である。
重要事実
事件番号: 平成24(許)43 / 裁判年月日: 平成25年11月21日 / 結論: 破棄差戻
1 新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は,上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって,上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになる。 2 新株発行の無効の訴えの被告とされた株式会社の訴訟活動が著しく信義に反しており,上記訴えに係る請求を認容する確…
相手方会社(被告)に対する解散の訴えを認容する判決が確定した。同会社の株主である抗告人は、当該訴訟の係属を知らされず審理に関与する機会を奪われたとして、民訴法338条1項3号の再審事由を主張し、独立当事者参加の申出とともに再審の訴えを提起した。しかし、抗告人は解散請求に対する請求棄却を求めただけで、解散訴訟の当事者(原告・被告)のいずれに対しても何ら独自の請求を提出していなかった。なお、再審訴状に「解散事由が存在しないことの確認」を求める旨の記載があったが、事実の確認を求める訴えにすぎなかった。
あてはめ
1. 抗告人は、本件独立当事者参加において、解散の訴えの原告ら又は被告会社に対し、何ら独自の請求を提出しておらず、単に解散請求の棄却を求めているにすぎない。これは独立当事者参加の要件を満たさない。 2. また、再審訴状にある「解散事由が存在しないことの確認」を求める旨の記載についても、これは「事実の確認」を求めるものにすぎず、確認の利益を欠くため、適法な請求の定立とはいえない。 3. したがって、前提となる独立当事者参加の申出が不適法である以上、抗告人が本件再審の訴えの原告適格を有しているということはできない。
結論
本件再審の訴えは、原告適格を欠き不適法であるため却下されるべきである。
実務上の射程
会社訴訟において第三者が手続保障の欠如を理由に再審を申し立てる際、独立当事者参加の形式を採る以上は、民訴法上の原則通り「独自の請求」が必要であることを確認した射程の長い判例である。答案上は、補助参加(共同訴訟的補助参加)では自己固有の再審事由を主張できないという限界(金築意見参照)と併せて、独立当事者参加を選択する場合の厳格な要件(請求の定立)として論述する。
事件番号: 昭和25(し)56 / 裁判年月日: 昭和25年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求棄却決定に対する最高裁判所への抗告の可否について、裁判所法及び刑訴応急措置法に基づき、特別の規定がない限り許されないと判断した。 第1 事案の概要:抗告人Aは、原審がした再審請求棄却決定を違法であるとして、最高裁判所に対し抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):再審請求棄却決定に対し…
事件番号: 昭和28(ク)262 / 裁判年月日: 昭和28年11月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特別に認めた場合に限られ、民事事件においては、原決定の憲法適合性に関する判断の不当を理由とするもの(特別抗告)に限定される。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して最高裁判所への抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定における…
事件番号: 昭和26(し)90 / 裁判年月日: 昭和26年12月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、裁判所法7条2号に基づき、法律が特に最高裁判所に抗告することを認めた場合に限り裁判権を有する。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てたが、当該抗告は法律において最高裁判所への申し立てが特別に認められている類型ではなかった。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所が…
事件番号: 昭和28(し)18 / 裁判年月日: 昭和28年4月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法が適用される事件において、高等裁判所の決定に対し最高裁判所へ抗告をすることは、訴訟法において特に認められた場合を除き許されない。 第1 事案の概要:申立人は、東京高等裁判所が下した再審請求棄却決定を不服として、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。本件は刑訴施行法2条に基づき旧刑事訴訟法…