別除権の行使等に関する協定(別除権の目的である不動産につきその被担保債権の額よりも減額された受戻しの価格を定めて再生債務者が別除権者に対しこれを分割弁済することとし,再生債務者がその分割弁済を完了したときは別除権者の担保権が消滅する旨を再生債務者と別除権者との間で定めたもの)中にある再生手続廃止の決定がされること等を同協定の解除条件とする旨の合意は,再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定がされることが解除条件として明記されていなくても,これを解除条件から除外する趣旨であると解すべき事情がうかがわれないなど判示の事情の下では,再生債務者が上記破産手続開始の決定を受けた時から同協定はその効力を失う旨の内容をも含むものと解すべきである。
再生債務者と別除権者との間で締結された別除権の行使等に関する協定における同協定の解除条件に関する合意が,再生債務者がその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から同協定が効力を失う旨の内容をも含むものとされた事例
民事再生法41条1項9号,民事再生法53条,民事再生法88条,民事再生法188条2項,民事再生法190条1項,民事再生法194条,民事再生法250条1項,民法127条2項
判旨
再生債務者と別除権者との間で、再生計画の遂行を通じて事業再生が図られることを前提に、別除権の目的物の受戻価格(減額された被担保債権額)を定めた協定について、再生計画履行完了前に破産手続開始決定がなされた場合には、特段の事情のない限り、当該協定は失効するものと解するのが相当である。
問題の所在(論点)
再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始決定がなされた場合、別除権協定上の債務免除(減額)の効力は失われるか。解除条件条項の解釈が問題となる。
規範
再生手続における別除権協定は、民事再生法に基づく再生計画の遂行による事業再生を前提として締結されるものである。したがって、当該協定に「再生手続廃止」のみが解除条件として明記されている場合であっても、契約当事者の合理的意思解釈として、再生計画の履行完了前に再生手続廃止を経ずに破産手続開始決定がなされた場合も、再生計画の遂行という前提が失われた点において廃止の場合と異ならず、当該決定時をもって協定が失効する旨の合意が含まれていると解すべきである。
重要事実
再生債務者Aは、再生手続において別除権者らとの間で、被担保債権額を減額した受戻価格を定め、これを分割弁済する旨の別除権協定を締結した。同協定には、再生計画不認可や再生手続廃止等を解除条件とする条項(本件解除条件条項)があった。その後、再生計画認可・再生手続終結の決定を経て弁済が継続されていたが、履行完了前にAについて破産手続開始決定がなされた。破産管財人(被上告人)は、協定により被担保債権が減額されていると主張して、競売における配当額に異議を申し立てた。
あてはめ
本件各別除権協定は、Aの事業再生を可能とするために締結されたものであり、解除条件条項は「再生計画の遂行を通じて事業再生が図られる」という前提が失われた場合を想定している。再生計画の履行完了前に破産手続開始決定がなされた本件では、もはや再生計画の遂行の見込みがなく、前提が失われた点において再生手続廃止(民事再生法194条等)の場合と実質的に異ならない。また、本件のような場合に失効を否定すべき特段の事情もうかがわれない。したがって、合理的意思解釈により、本件協定は破産手続開始決定時から効力を失うといえる。その結果、被担保債権は減額前の額(既払金を控除したもの)に復する。
結論
本件各別除権協定は失効しており、上告人(譲受人ら)は元の債権額に基づき配当を受ける地位にある。破産管財人の配当異議請求は認められない。
実務上の射程
再生手続における「別除権協定」の効力をめぐる紛争(特に受戻価格の合意が破産移行後も拘束力を有するか)において、当事者の意思解釈の枠組みを提示する。実務上、再生手続が失敗した場合には担保権の行使を制約しないという、担保権者側の期待を保護する判断といえる。
事件番号: 平成10(オ)560 / 裁判年月日: 平成12年3月9日 / 結論: 破棄差戻
一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意は、民法七六八条三項の規定の趣旨に反してその額が不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情があるときは、不相当に過大な部分について、その限度において詐害行為として取り消されるべきである。 二 離婚に伴う慰謝料として配偶者…