裁判員制度と憲法14条1項,18条後段,19条,32条,37条,第6章
憲法14条1項,憲法18条後段,憲法19条,憲法32条,憲法37条,憲法第6章 司法,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律
判旨
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律による裁判員制度は、憲法14条1項、18条後段、19条、32条、37条、第6章の諸規定に違反しない。
問題の所在(論点)
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)に基づく裁判員制度は、憲法14条1項、18条後段、19条、32条、37条、および第6章(司法権)の規定に違反し、違憲といえるか。
規範
裁判員制度の憲法適合性については、(1)憲法が、司法権の行使につき国民の参与を否定しているか否か、(2)被告人の憲法上の諸権利(公平な裁判所の裁判を受ける権利等)を侵害するか否か、(3)裁判員として召集される国民の権利(良心の自由等)を侵害するか否か、という観点から判断される。最高裁判例(最大判平23・11・16)の趣旨に照らせば、同制度は国民の司法参加という公的な意義を有し、適切な制度設計がなされている限り、憲法各条項に抵触するものではない。
重要事実
被告人は殺人罪に問われ、裁判員制度に基づき第一審の審理が行われた。弁護人は、裁判員制度が憲法14条1項(法の下の平等)、18条後段(意に反する苦役)、19条(思想及び良心の自由)、32条(裁判を受ける権利)、37条(公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利)、および憲法第6章(司法権の規定)に違反すると主張し、上告した。
あてはめ
本判決は、先行する大法廷判決(最大判平23・11・16)を引用し、裁判員制度の憲法適合性を肯定した。具体的には、憲法が国民の司法参加を禁止していないこと、裁判官と裁判員が協働する仕組みが裁判の公正を担保していること、国民への負担も司法の民主的基盤を確保する目的から合理的範囲内であることを前提としている。本件においても、弁護人が主張する各違憲論は、これら大法廷の示した判断枠組み・趣旨に照らして明らかに理由がないと評価される。したがって、憲法違反の主張は上告理由として認められない。
事件番号: 平成23(あ)1081 / 裁判年月日: 平成24年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判員制度は、憲法18条後段、19条、32条、37条1項、76条1項、3項に違反しない。 第1 事案の概要:1. 被告人は、強盗殺人、詐欺、死体遺棄等の罪に問われ、裁判員制度が適用される第一審で審理を受けた。2. 被告人側は、裁判員制度が職業裁判官によらない裁判を強いるものであり、かつ国民に義務と…
結論
裁判員制度は憲法14条、18条、19条、32条、37条、第6章のいずれにも違反せず、合憲である。
実務上の射程
裁判員制度の違憲性はすでに大法廷判決により決着済みであり、個別事件の小法廷判決においては、当該大法廷判決を引用する形で速やかに違憲主張を排斥する実務が定着していることを示す。
事件番号: 平成15(あ)2396 / 裁判年月日: 平成18年6月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑制度は、極めて重大な罪責を負うべき者に対して科される究極の刑罰であり、憲法13条、31条、36条に照らしても、公共の福祉の観点から合憲であると解される。 第1 事案の概要:被告人は、強盗殺人被告事件等の犯行に及び、その残虐な犯行態様や結果の重大性に鑑み、一審および二審において死刑の判決を受けた…
事件番号: 平成23(あ)13 / 裁判年月日: 平成24年3月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判員制度の憲法適合性 第1 事案の概要:被告人は、建造物侵入、強盗致傷、強盗の罪により起訴された。本件は裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)に基づき、裁判員が参加する公判手続によって審理が行われた。これに対し弁護人は、裁判員制度自体が憲法に違反するものであるとして、上告を申し立てた。…