裁判員制度と憲法18条後段,31条,32条,37条1項,76条1項ないし3項,80条1項
憲法18条,憲法31条,憲法32条,憲法37条,憲法76条,憲法80条,裁判員の刑事裁判に関する法律
判旨
裁判員制度の憲法適合性
問題の所在(論点)
裁判員制度は、憲法18条後段、31条、32条、37条1項、76条1項ないし3項、80条1項に違反し、違憲といえるか。
規範
裁判員制度は、国民が裁判官と共に刑事裁判に参加する仕組みであるが、これが憲法18条後段(意に反する苦役)、31条(適正手続)、32条(裁判を受ける権利)、37条1項(公平な裁判所の審判)、76条1項ないし3項(司法権の帰属・裁判官の独立)、80条1項(下級裁判所の裁判官の任命・任期)に違反するか否かが問題となる。最高裁は、先行する大法廷判決の判断を維持し、裁判員制度は憲法のこれら諸規定に違反しないと解する。
重要事実
被告人は、建造物侵入、強盗致傷、強盗の罪により起訴された。本件は裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)に基づき、裁判員が参加する公判手続によって審理が行われた。これに対し弁護人は、裁判員制度自体が憲法に違反するものであるとして、上告を申し立てた。
あてはめ
最高裁判所は、先行する大法廷判決(最高裁平成23年11月16日大法廷判決)を引用し、裁判員制度の憲法適合性を判断している。具体的には、裁判員が審理・判断に関与しても、憲法が保障する適正な刑事裁判の核心は維持されており、憲法76条等が定める裁判官の独立や司法権の帰属を侵害するものではないと解される。また、国民の司法参加は民主的基盤を強化する正当な目的があり、裁判員の負担も憲法18条の「意に反する苦役」には当たらない。したがって、本件被告人に対して裁判員制度を用いて行われた裁判は、憲法の各条項に反する手続的瑕疵はないといえる。
結論
裁判員制度は、憲法18条後段、31条、32条、37条1項、76条1項ないし3項、80条1項のいずれにも違反しない。
実務上の射程
裁判員制度が合憲であることは、既に確立した判例(平成23年大法廷判決)の示すところであり、本判決はこれを踏襲して、個別の被告人による違憲主張を「理由がないことが明らかである」として退ける実務上の運用を再確認するものである。
事件番号: 平成23(あ)1081 / 裁判年月日: 平成24年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判員制度は、憲法18条後段、19条、32条、37条1項、76条1項、3項に違反しない。 第1 事案の概要:1. 被告人は、強盗殺人、詐欺、死体遺棄等の罪に問われ、裁判員制度が適用される第一審で審理を受けた。2. 被告人側は、裁判員制度が職業裁判官によらない裁判を強いるものであり、かつ国民に義務と…
事件番号: 平成13(あ)963 / 裁判年月日: 平成16年12月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の適用は、犯罪の性質、動機、態様、特に殺意の強固さや結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響等を総合考慮し、刑事責任が極めて重大であって、罪刑均衡や一般予防の観点からやむを得ない場合に認められる。本件では、被告人が計画の中核を担い、信頼関係を悪用して2名を惨殺した強盗殺人の態様を重くみて、死刑…
事件番号: 平成22(あ)1607 / 裁判年月日: 平成24年3月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員制度)が、憲法32条、37条1項、76条1項・3項、78条、80条に違反するか。 第1 事案の概要:本件は、集団強姦致傷、わいせつ略取、監禁等の罪に問われた被告人が、裁判員制度による裁判を受けた事案である。被告人側は、裁判員制度が憲法32条(裁判を受ける…