付添人選任届の追完が認められなかった事例
少年法33条1項,少年法35条2項,少年審判規則14条2項,少年審判規則14条4項,少年審判規則46条の5,少年審判規則54条
判旨
原審の付添人ではなく、かつ抗告申立て時までに付添人選任届が提出されていない弁護士による抗告申立ては不適法であり、期間経過後に選任届が提出されても追認の効力は認められない。
問題の所在(論点)
原審の付添人ではない弁護士が、付添人選任届を提出せずにした抗告申立ての適否、および抗告申立期間経過後の選任届提出による補完(追認)の可否が問題となる。
規範
抗告の申立ては、適法な申立権を有する者によって申立期間内になされる必要がある。原審における付添人でない弁護士が抗告を申し立てる場合には、申立期間内に付添人選任届が提出されていることを要し、期間経過後の選任届提出によって不適法な申立てが適法に転じることはない。
重要事実
中等少年院送致決定に対し、弁護士が平成24年4月9日に再抗告を申し立てた。しかし、当該弁護士は原審における付添人ではなく、申立ての日までに付添人選任届も提出されていなかった。抗告申立期間経過後の同月12日になって、当該弁護士を付添人に選任する旨の届出が追加提出された。
あてはめ
本件弁護士は原審における付添人ではなく、申立て時点において付添人としての権限を疎明する選任届も提出されていない。したがって、申立て時点において適法な申立権限を欠いているといえる。また、抗告申立期間は法的安定性の観点から厳格に解すべきであり、期間経過後に選任届が提出されたとしても、その瑕疵が治癒され、申立てが遡及的に適法となるものではないと解される。
事件番号: 平成5(し)96 / 裁判年月日: 平成5年11月24日 / 結論: 棄却
家庭裁判所は、抗告裁判所から差戻しを受けた事件が先に少年法一七条一項二号の観護の措置が採られたものであっても、審判を行うため必要があるときは、改めて同号の観護の措置を採ることができる。
結論
本件抗告申立ては不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
少年法における抗告申立権者の範囲と期間制限の厳格性を再確認したものである。刑事訴訟法における弁護人の上訴申立てに関する判例(最決昭45・9・24)と同様の枠組みが少年法上の付添人にも妥当することを示しており、実務上、新しく受任した弁護士が抗告を行う際は、必ず期間内に選任届を提出しなければならない。
事件番号: 昭和41(し)52 / 裁判年月日: 昭和42年3月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年審判の手続において、憲法37条3項が保障する弁護人依頼権の趣旨は、既に弁護士である付添人が選任されている場合にはその前提を欠き、憲法違反の問題は生じない。 第1 事案の概要:東京家庭裁判所における少年審判の手続を経て、少年側が再抗告を申し立てた事案である。再抗告人は、原審の手続に関し、国選弁護…
事件番号: 平成20(し)348 / 裁判年月日: 平成20年9月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法3条1項3号イの「保護者の正当な監督に服しな い性癖のあること」及び同号ニの「自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること」との規定は、憲法が禁ずる過度に広範で不明確な規定には当たらない。 第1 事案の概要:少年法3条1項3号イ(ぐ犯少年)の規定である「保護者の正当な監督に服しない性癖…
事件番号: 昭和32(す)371 / 裁判年月日: 昭和32年6月12日 / 結論: 棄却
一 家庭裁判所において事件を受理する以前少年たる被疑者の弁護人として選任されていても、少年法第一〇条、少年審判規則第一四条によりあらためて附添人として選任されなければ、その弁護人をもつて当然に附添人であるということはできない。 二 少年を特別少年院に送致する旨の決定に対し抗告がなされた場合その少年が少年法にいう少年であ…
事件番号: 平成9(し)162 / 裁判年月日: 平成9年10月6日 / 結論: 棄却
少年の保護処分に対する抗告を受理した裁判所は、抗告提起期間内であっても抗告について裁判をすることができる。