補佐人提出の上告趣意を判断対象とした事例
刑訴法42条,刑訴法376条1項,刑訴法407条,刑訴法414条
判旨
本決定は、被告人の上告について、実質が事実誤認または量刑不当の主張にすぎないとして、刑訴法405条の上告理由に当たらないと判断したものである。
問題の所在(論点)
弁護人が主張する憲法違反等の内容が、刑訴法405条に規定される適法な上告理由に該当するか。
規範
刑訴法405条は上告理由を憲法違反や判例相反等に限定しており、実質的に事実誤認や量刑不当をいう主張は、同条の上告理由には当たらない。
重要事実
被告人が道路交通法違反および自動車運転過失傷害の罪に問われた事件において、弁護人および補佐人が上告を申し立てた。弁護人は憲法違反を主張に含めていたが、その内容は事実誤認や量刑不当を訴えるものであった。
あてはめ
弁護人の主張は、憲法違反という語を用いているものの、その実質は事実誤認および量刑不当の主張にとどまる。また、補佐人の主張も事実誤認および単なる法令違反をいうものである。これらはいずれも、刑訴法405条各号に掲げられた事由を実質的に具備するものとはいえない。
事件番号: 昭和47(あ)2281 / 裁判年月日: 昭和48年1月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由に当たらない憲法違反の主張や単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条の上告理由を構成せず、職権調査によっても原判決を破棄すべき事由は認められない。 第1 事案の概要:被告人が憲法14条(法の下の平等)および32条(裁判を受ける権利)違反、ならびに量刑不当を理由として上告を申し立てた事案で…
結論
本件各上告趣意は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、刑訴法414条、386条1項3号により本件上告を棄却する。
実務上の射程
形式的に憲法違反を主張していても、その実質が事実誤認等にすぎない場合には上告理由にならないという実務上の原則を確認する事例。司法試験においては、上告審の構造や上告理由の限定性を論じる際の基礎資料となる。
事件番号: 昭和44(あ)2473 / 裁判年月日: 昭和45年4月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意が実質的に事実誤認の主張にすぎない場合や、憲法違反を主張しながら具体的な憲法条項への抵触を示さない場合は、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原判決に対して憲法違反を理由として上告を申し立てた。しかし、被告人の主張は実質的には事実誤認を訴える…
事件番号: 昭和49(あ)479 / 裁判年月日: 昭和49年4月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】原審において主張及び判断を経ていない事項に関する憲法違反の主張や、原審の認定に沿わない事実関係を前提とする判例違反の主張は、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、原判決に対して上告を申し立てた。その上告趣意において、第一に、原審では主張も判断もされていなかった事項…
事件番号: 昭和43(あ)2096 / 裁判年月日: 昭和44年3月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判の延期を求める主張は、刑事訴訟法405条に規定された適法な上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人が最高裁判所に対し上告を提起したが、その上告趣意の内容は「裁判の延期を求める」というものであった。 第2 問題の所在(論点):裁判の延期を求める旨の主張が、刑事訴訟法405条所定の上告理由…