商標法施行規則(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの)別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」とは,商業等に従事する企業に対して,その管理,運営等を援助するための情報を提供する役務をいう。
商標法施行規則(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの)別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」の意義
商標法6条1項,商標法6条2項,商標法施行令1条,商標法施行令(平成13年政令第265号による改正前のもの)別表第1第35類,商標法施行規則6条,商標法施行規則(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの)別表第35類
判旨
商標法施行規則別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」とは、商業等に従事する企業に対しその管理・運営等を援助するための情報を提供する役務をいい、消費者に商品を紹介する行為はこれに含まれない。
問題の所在(論点)
商標法50条1項の「指定役務についての登録商標の使用」の有無に関し、商標法施行規則別表第35類に規定される「商品の販売に関する情報の提供」に、消費者に向けた商品紹介等の情報提供行為が含まれるか。
規範
指定役務の意義は、商標法施行令別表の区分名称、商標法施行規則別表における当該区分の内容・性質、国際分類(ニース協定)の類別表注釈、類似商品・役務審査基準における類似群の同一性等を参酌して解釈すべきである。本件の「商品の販売に関する情報の提供」(第35類)は、同類に「経営の診断及び指導」等が並置され、国際分類注釈でも企業の事業管理の援助を主目的とする旨示されていることから、商業等に従事する企業に対し、その管理・運営等を援助するための情報(販売実績や統計分析等)を提供する役務を指すと解される。
重要事実
ゲームソフト開発会社である被上告人は、第35類「商品の販売に関する情報の提供」等を指定役務として本件商標を登録していた。被上告人は自社ウェブサイトにおいて、他社が販売するゲームソフトや音楽CDにつき、発売日・価格・購入方法等を表示し、消費者が販売元サイトで商品を購入できるようにしていた(本件各行為)。上告人は、本件指定役務につき不使用取消審判(商標法50条1項)を請求した。
あてはめ
被上告人の行為は、自社ウェブサイトにおいて他社の商品を消費者に紹介するものにすぎない。これは「商品の販売実績に関する情報」や「統計分析に関する情報」を企業に提供するものではなく、商業等に従事する企業の管理・運営等を援助する役務とは認められない。本件商標登録時の法令および国際分類に照らせば、その後の法改正で消費者向け便益提供が役務として追加された経緯を考慮しても、従前の規定の意義に消費者向け紹介が含まれる余地はない。
結論
被上告人の行為は本件指定役務の使用には当たらない。したがって、本件指定役務についての使用の証明はなく、不使用取消審判における取消審決は適法である。
実務上の射程
指定役務の意義を、国際分類や審査基準を基礎に体系的に解釈する手法を示した重要な判例である。特に第35類の役務については、提供対象が「企業(BtoB)」か「消費者(BtoC)」かによって該当性が厳格に区別されるため、不使用取消を回避するための「使用」の主張においては、行為の性質を指定役務の内容と緻密に対比させる必要がある。
事件番号: 昭和58(行ツ)31 / 裁判年月日: 昭和61年4月22日 / 結論: 破棄差戻
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