死刑の量刑が維持された事例(岡山の2人生き埋め殺人事件)
判旨
被告人の刑事責任は極めて重大であり、死刑の選択もやむを得ない。
問題の所在(論点)
死刑選択の可否(永山基準の適用)が、本件の犯行態様の残虐性および結果の重大性に照らして肯定されるか。
規範
死刑の選択においては、犯行の性質、動機、態様(特に殺害方法の執拗さ・残虐性)、結果の重大性(特に殺害された被害者の数)、遺族の被害感情、社会的影響、被告人の年齢、前科、犯行後の情状等を併せ考慮し、罪刑均衡の見地からも一般予防の見地からも極めて重大な罪責を免れないと認められる場合には、死刑の選択が許容される。
重要事実
被告人は、友人らとトラブルになったことを端緒として、被害者2名に対しゴルフ場やゴミ集積場等において暴行を加え、瀕死の状態に陥らせた。その後、両名の顔面をビニール袋で覆った上で、さらにその上からガムテープを巻き付けて窒息死させ、あるいは生きたまま埋めて殺害した。被告人は、被害者らが命を乞うているにもかかわらず、残虐な方法で2名の尊い生命を奪っており、その殺害態様は冷酷かつ非道である。犯行後の情状としても、遺体隠置等の隠蔽工作を行っている。
あてはめ
本件は2名の生命を奪った重大な事案である。犯行態様は、ゴルフ場等での激しい暴行に加え、ビニール袋とガムテープを用いて窒息させる、あるいは生存したまま埋没させるという極めて執拗かつ残虐なものである。被告人は首謀的な立場で友人らを説得・加担させており、刑事責任は極めて重い。被告人の年齢や更生の可能性など、被告人に有利に酌むべき事情を十分に考慮したとしても、本件の罪責は誠に重大である。したがって、罪刑均衡および一般予防の観点から、原審の死刑判決を維持することは正当である。
結論
事件番号: 平成20(あ)254 / 裁判年月日: 平成23年10月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】犯行態様が冷酷かつ非情で残忍であり、強盗殺人や口封じといった動機に酌量の余地がない場合、殺害された被害者の数(被告人Aが3名、被告人Bが4名)や犯行の社会的影響等の諸事情を考慮すれば、被告人らに反省の態度が見られる等の情状を十分考慮しても、死刑の選択はやむを得ない。 第1 事案の概要:1. 被告人…
本件における死刑の選択は、その残虐な犯行態様と2名殺害という重大な結果に照らし、やむを得ないものとして是認される。
実務上の射程
被害者が2名の場合であっても、犯行の態様が極めて残虐であり、犯行を主導した経緯等に酌量の余地がない場合には、死刑が選択される基準が示されている。
事件番号: 平成21(あ)994 / 裁判年月日: 平成25年1月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】犯行に至る経緯・動機に酌量の余地がなく、態様が極めて冷酷かつ非情であり、4名もの生命を奪った結果が甚だ重大な事案においては、被告人が犯行の中核的役割を果たし、反省の態度も乏しい等の事情がある限り、第一審の無期懲役判決を破棄して死刑を宣告した原判断は正当として是認される。 第1 事案の概要:詐欺団体…
事件番号: 平成8(あ)826 / 裁判年月日: 平成13年9月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の選択が許容されるか否かの判断においては、犯行の罪質、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等を総合的に考慮し、その罪責が誠に重大であって、極刑の選択がやむを得ないといえる場合に限られる。 第1 事案の概要:被告人は、交際相手への送金等の資金に窮し…
事件番号: 平成20(あ)552 / 裁判年月日: 平成23年3月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判例(最判昭和58年7月8日等参照)に基づき、死刑選択の許容性を判断する基準を提示する。 第1 事案の概要:本件において、被告人ら3名は、以前から人命を軽視するような生活態度をとっていた。本件犯行は、犯行の隠蔽や逃走資金の確保といった身勝手な動機に基づくものである。犯行態様は極めて残虐かつ執拗であ…