司法書士会に新たに入会する者のみに課される負担であっても,その履行が入会の要件となっていないものは,その負担が新たに入会しようとする者の入会を事実上制限するような効果を持つほど重大なものであるなどの特段の事情のない限り,司法書士法(平成14年法律第33号による改正前のもの)15条7号にいう「入会金その他の入会についての特別の負担」に当たらない。
司法書士会に新たに入会する者のみに課される負担でその履行が入会の要件となっていないものが司法書士法(平成14年法律第33号による改正前のもの)15条7号にいう「入会金その他の入会についての特別の負担」に当たるか
司法書士法(平成14年法律第33号による改正前のもの)15条,司法書士法(平成14年法律第33号による改正前のもの)15条の2第1項
判旨
司法書士会が入会者に課す金銭的負担が、司法書士法15条7号の「入会についての特別の負担」に当たり会則への記載と法務大臣の認可を要するか否かは、入会の要件となっているか否か、及び参入を事実上制限するほど重大なものかを基準に判断すべきである。
問題の所在(論点)
司法書士会の規則等に基づく金銭的負担が、司法書士法15条7号にいう「入会金その他の入会についての特別の負担」に該当し、法務大臣の認可を受けた会則上の定めを要するか。
規範
司法書士法15条7号及び15条の2第1項が、入会金等の「入会についての特別の負担」について会則への記載と法務大臣の認可を求める趣旨は、事実上の参入規制を防止する点にある。したがって、入会者のみに課される負担であっても、その履行が入会の要件となっていないものは、①その負担が新たに入会しようとする者の入会を事実上制限するような効果を持つほど重大なものであるなどの特段の事情のない限り、同号の「特別の負担」には当たらない。
重要事実
事件番号: 平成21(受)955 / 裁判年月日: 平成22年4月20日 / 結論: 破棄差戻
1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約に基づいて金銭の借入れと弁済が繰り返され,同契約に基づく債務の弁済がその借入金全体に対して行われる場合における利息制限法1条1項にいう「元本」の額は,各借入れの時点における従前の借入金残元本と新たな借入金との合計額をいい,従前の借入金残元本の額は,弁済金のうち制限超過部分があ…
大阪司法書士会(被告)の管理運営規則には、新規入会者に「会館維持協力金」20万円の納付義務を課す規定があったが、被告の会則には当該規定はなく、法務大臣の認可も受けていなかった。原告は入会時にこれを納付したが、後に当該負担は認可を要する「特別の負担」に当たり、会則に定めのない徴収は法律上の原因を欠くと主張して、不当利得返還請求を提起した。なお、当該協力金は延納・分割払が可能で、未納が入会拒絶や退会の理由となる規定は存在しなかった。
あてはめ
本件協力金は入会者のみに課される負担ではあるが、延納や分割払が可能であり、履行が入会の要件とされていた事実は認められない。また、金額は20万円であり、これが直ちに司法書士業への参入を事実上制限するほど重大な負担であるともいえない。したがって、本件協力金は「入会についての特別の負担」に該当するような特段の事情は認められず、法務大臣の認可を要する会則事項ではないといえる。また、規則に基づく納付義務は存在するため、法律上の原因を欠くともいえない。
結論
本件協力金は「入会についての特別の負担」には当たらず、会則に定めて認可を受ける必要はない。したがって、被告による徴収は適法であり、原告の不当利得返還請求は認められない。
実務上の射程
強制加入団体における新規参入者への負担の是非を判断した射程の長い判例である。答案上は、まず「参入規制の防止」という制度趣旨を明示した上で、「入会の要件となっているか」という形式的基準と、「事実上の制限となるほど重大か」という実質的基準(特段の事情)の二段構えで検討する枠組みとして活用する。
事件番号: 平成21(行ヒ)401 / 裁判年月日: 平成23年7月14日 / 結論: 破棄自判
介護保険法上の指定居宅サービス事業者及び指定居宅介護支援事業者の各指定を府知事から受けた事業者は,不正の手段によってこれらを受けた場合であっても,そのことを理由とする各指定の取消しがされておらず,各指定を受けるに当たっての経緯も各指定を無効とするほどの瑕疵の存在をうかがわせるものではないなど判示の事情の下においては,市…
事件番号: 平成16(受)424 / 裁判年月日: 平成18年1月24日 / 結論: 破棄差戻
1 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借に,債務者が元本及び約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の約定が付されている場合,同約定中,債務者が約定利息のうち制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は,同法1条1項の趣旨に反して無効であ…
事件番号: 平成20(受)2114 / 裁判年月日: 平成22年6月4日 / 結論: その他
更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権である過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することは,(1)上記貸金業者の発行したカードは従前どおり使用することができる旨の社告が新聞に掲載された際に,上記貸金業者において,過払金返還請求権につき債権の届出をしないと更生会社がその責めを免れ…
事件番号: 平成15(オ)386 / 裁判年月日: 平成16年2月20日 / 結論: 破棄差戻
1 貸金業者との間の金銭消費貸借上の約定に基づき利息の天引きがされた場合における天引利息については,貸金業の規制等に関する法律43条1項の適用はない。 2 貸金業の規制等に関する法律17条1項に規定する書面に該当するためには,当該書面に同項所定の事項のすべてが記載されていなければならない。 3 貸金業者が貸金の弁済を受…