1 家屋の建替え中のため固定資産税の賦課期日に面積が200?以下である土地の上に地方税法(平成18年法律第7号による改正前のもの)349条の3の2第1項所定の居住用家屋が存しない場合において,上記賦課期日における当該土地の現況が,既存の居住用家屋の取壊し後に,その家屋の所有者であった者を建築主とし,約10か月の工事予定期間を定めて,居住用家屋となる予定の新たな家屋の建築工事が現に進行中であることが客観的に見て取れる状況にあったという事情の下では,その後になって,上記建築工事が中断し,建築途中の家屋とともに当該土地が施工業者に譲渡されるという事態が生じたとしても,当該土地に係る当該年度の固定資産税及び都市計画税については,同条2項1号,地方税法702条の3第2項各所定の住宅用地に対する課税標準の特例の適用がある。 2 家屋の建替え中のため固定資産税の賦課期日に面積が200?以下である土地の上に地方税法349条の3の2第1項所定の居住用家屋が存しない場合において,上記賦課期日における当該土地の現況が,約10か月の期間を工事予定期間として着工された新たな家屋の建築工事が地下1階部分のコンクリート工事をほぼ終了した段階で1年近く中断し,相当の期間内に工事が再開されて上記家屋の完成することが客観的に見て取れるような事情もうかがわれない状況にあったという事情の下では,当該土地に係る当該年度の固定資産税及び都市計画税については,同条2項1号,同法702条の3第2項各所定の住宅用地に対する課税標準の特例の適用がない。
1 家屋の建替え中のため固定資産税の賦課期日に地方税法(平成18年法律第7号による改正前のもの)349条の3の2第1項所定の居住用家屋が存しない土地に係る当該年度の固定資産税及び都市計画税につき,同条2項1号,地方税法702条の3第2項各所定の住宅用地に対する課税標準の特例の適用があるとされた事例 2 家屋の建替え中のため固定資産税の賦課期日に地方税法349条の3の2第1項所定の居住用家屋が存しない土地に係る当該年度の固定資産税及び都市計画税につき,同条2項1号,同法702条の3第2項各所定の住宅用地に対する課税標準の特例の適用がないとされた事例
(1,2につき)地方税法359条,地方税法702条の3第2項 (1につき)地方税法(平成18年法律第7号による改正前のもの)349条の3の2第1項,地方税法(平成18年法律第7号による改正前のもの)349条の3の2第2項1号 (2につき)地方税法349条の3の2第1項,地方税法349条の3の2第2項1号
判旨
固定資産税等の住宅用地特例の対象となる「敷地の用に供されている土地」の該当性は、賦課期日の現況により決すべきであり、住宅の建替え工事が客観的に進行中であれば該当するが、工事が長期間中断し、完成が客観的に見込まれない状況では該当しない。
問題の所在(論点)
地方税法349条の3の2第1項の「敷地の用に供されている土地」の意義、及び建築中の家屋の敷地がこれに含まれるか。また、工事の中断やその後の事情が賦課期日の判断に影響を及ぼすか。
事件番号: 昭和28(オ)616 / 裁判年月日: 昭和30年3月23日 / 結論: 棄却
一 土地台帳若しくは土地補充課税台帳に一月一日に所有者として登録されている者は、納期において所有権を有しなくてもその年の四月一日に始まる年度の固定資産税の納税義務を負う。 二 地方税法第三四三条および第三五九条は憲法第一一条、第一二条、第一四条、第二九条、第三〇条、第六五条に違反しない。
規範
地方税法349条の3の2第1項にいう「敷地の用に供されている土地」(住宅用地特例)に当たるか否かは、当該年度の賦課期日(1月1日)における当該土地の現況によって決すべきである。具体的には、旧家屋の取壊し後に新家屋の建築工事が現に進行中であると客観的に見て取れる状況にある場合にはこれに該当する。一方、工事が相当期間中断し、相当期間内に完成することが客観的に見て取れない状況にある場合には、これに該当しない。
重要事実
上告人は、所有する土地(面積200平米以下)上の旧家屋を解体し、新家屋の建築を開始した。平成17年度賦課期日(H17.1.1)時点では、工期をH17.5.31までとして地下1階部分の工事が進行中であった。しかし、瑕疵の発覚や近隣住民の反対等により工事が停滞し、平成18年度賦課期日(H18.1.1)時点では1年近く中断され、完成の目途が立たない状況であった。課税当局は、最終的に土地が譲渡されたことも踏まえ、両年度とも特例を適用せず賦課決定(本件各処分)を行った。
あてはめ
平成17年度分については、賦課期日において当初の予定期間内に工事が現に進行中であったことが客観的に見て取れるため、同土地は「敷地の用に供されている土地」に当たる。その後の工事中断や土地譲渡という事態は、遡って賦課期日における現況の判断を左右しない。これに対し、平成18年度分については、賦課期日において工事が1年近く中断しており、相当期間内に完成することが客観的に見て取れない状況であったため、同土地は「敷地の用に供されている土地」に当たるとはいえない。
結論
平成17年度処分は、特例の適用があるべきなのにこれを認めなかった点で違法として取り消されるが、平成18年度処分は特例の適用がないため適法である。
実務上の射程
賦課期日主義を徹底し、将来の事情(工事の中断や譲渡)によって遡及的に「現況」を再定義することを否定した点に実務上の意義がある。答案では、地方税法等の文言解釈において「現況」の判断基準を具体化する際に、建築の継続性・客観的な完成可能性の有無をメルクマールとして引用すべきである。
事件番号: 平成25(行ヒ)35 / 裁判年月日: 平成26年9月25日 / 結論: 破棄自判
土地又は家屋につき,賦課期日の時点において登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に登記又は登録がされていない場合において,賦課決定処分時までに賦課期日現在の所有者として登記又は登録されている者は,当該賦課期日に係る年度における固定資産税の納税義務を負う。
事件番号: 昭和43(行ツ)10 / 裁判年月日: 昭和49年9月2日 / 結論: 破棄差戻
地方税法七三条の四第一項六号及び三四八条二項一二号所定の「学術の研究を目的とする」法人とは、その定款又は寄附行為の目的条項に日本学術会議法一〇条に定める区分によつて示されるような意味における人文科学及び自然科学の学理的研究並びにその応用に関する研究を行う趣旨を掲げ、かつ、その組織運営及び活動の実体からみて右研究という目…
事件番号: 昭和60(行ツ)179 / 裁判年月日: 昭和63年4月21日 / 結論: 破棄差戻
乗用車の販売修理会社が、昭和五四年九月一〇日訴外会社の所有する社屋等の建物及びその敷地を買い受け(同年一二月二四日所有権移転登記、同月二五日引渡し)、翌年一月一六日右建物の解体工事に着手し、同年二月二〇日ごろこれを完了したうえ、右土地の東側部分をアスフアルト舗装して同年三月一〇日過ぎから右部分で中古車センターを開業した…
事件番号: 昭和58(行ツ)19 / 裁判年月日: 昭和59年12月7日 / 結論: 棄却
新築の家屋は、一連の新築工事が完了した時に、固定資産税の課税客体となる。