乗用車の販売修理会社が、昭和五四年九月一〇日訴外会社の所有する社屋等の建物及びその敷地を買い受け(同年一二月二四日所有権移転登記、同月二五日引渡し)、翌年一月一六日右建物の解体工事に着手し、同年二月二〇日ごろこれを完了したうえ、右土地の東側部分をアスフアルト舗装して同年三月一〇日過ぎから右部分で中古車センターを開業したなど判示の事実関係がある場合において、前記社屋等の建物が基準日(昭和五五年一月一日)の時点では利用されていなかつたが、恒久的な構造を有しなお相当の期間利用することができ、かつ、右乗用車の販売修理会社が前記土地建物を取得するまでは訴外会社によつて利用されており、証拠上右基準日当時前記社屋等の建物が利用されないことが外形的に明らかであつたとはいえないなどとして、右土地について特別土地保有税の納税義務の免除の認定をすべきであるとした原審の判断には、地方税法(昭和五七年法律第一〇号による改正前のもの)六〇三条の二第一項一号、地方税法施行令五四条の四七第一項二号の解釈適用の誤りひいては理由不備の誤りがある。
地方税法(昭和五七年法律第一〇号による改正前のもの)六〇三条の二第一項一号、地方税法施行令五四条の四七第一項二号によつて特別土地保有税の納税義務の免除の認定をすべきであるとした認定判断につき法令の解釈適用の誤りひいては理由不備の違法があるとされた事例
地方税法(昭和57年法律第10号による改正前のもの)603条の2第1項,地方税法施行令54条の47第1項2号
判旨
特別土地保有税の免税認定における建物の「相当期間の利用」の判断は、基準日現在の現況のみならず、所有者の利用意思や建物の具体的な利用状況等、基準日前後の事実を総合的に考慮して決すべきである。
問題の所在(論点)
特別土地保有税の納税義務免除の要件である、建物が「相当の期間にわたる利用」に供されるものか否かの認定において、基準日後の事情(取壊し事実等)を考慮することができるか。
規範
地方税法603条の2第1項1号及び施行令54条の47第1項2号にいう、建物が「相当の期間にわたる利用」に供されるものといえるか否かは、基準日現在の現況に基づいて認定すべきである。もっとも、基準日現在の事実のみでは判断が困難なため、所有者の利用意思や当該建物の具体的な利用状況等、基準日前後の事実を、基準日現在の現況を推認させる補助的事実として総合的に考慮し、客観的に判断すべきである。
事件番号: 平成13(行ツ)205 / 裁判年月日: 平成14年12月17日 / 結論: その他
1 地方税法585条1項にいう「土地又はその取得」とは,経過的事実に則してとらえた土地の所有又はその所有権取得の事実をいい,所有権取得の原因となった法律行為が取消し,解除等により覆されたかどうかにかかわらない。 2 上告審は,不適法でその不備を補正することができない訴えを却下する前提として原判決を破棄する場合には,口頭…
重要事実
乗用車販売会社である被上告人は、昭和54年12月に土地建物を買い受け引渡しを受けた。当該建物は恒久的な構造であったが、被上告人は取得直後から建物の取り壊しを検討し、昭和55年1月10日には全部収去の方針を決定、同月16日に解体着手、2月には完了した。被上告人は同年5月に新社屋を建築。基準日である昭和55年1月1日時点では建物は利用されていなかった。被上告人は特別土地保有税の免税認定を申請したが、上告人(市長)はこれを認めない否認処分を行った。
あてはめ
本件建物の構造が恒久的であること(1号基準)や、前所有者が継続利用していた事実は、基準日において「将来にわたり相当期間利用される」ことを直ちに裏付けるものではない。むしろ基準日において現に利用されていなかった事実に加え、基準日のわずか15日後に解体工事が着手されたという基準日後の客観的事実を考慮すれば、所有者たる被上告人に継続利用の意思はなく、本件建物が基準日において相当期間の利用に供される状況にあったとは認め難い。したがって、二号基準に適合するとは直ちに断定できず、基準日前後の事情をさらに審理する必要がある。
結論
基準日前後の客観的事実を総合考慮せずに、外形的な構造や前所有者の利用実態のみから要件適合性を認めた原審の判断には、法令の解釈適用の誤りがある。
実務上の射程
行政処分における「基準日時点の現況」の判断において、後発的事実を「基準日時点の状態を推認するための補助事実」として活用する枠組みを示した。税務行政における認定要件の解釈として、単なる外形的・構造的な判断だけでなく、利用実態や主観的意図の客観化を重視する実務指針となる。
事件番号: 平成21(行ヒ)154 / 裁判年月日: 平成23年3月25日 / 結論: その他
1 家屋の建替え中のため固定資産税の賦課期日に面積が200?以下である土地の上に地方税法(平成18年法律第7号による改正前のもの)349条の3の2第1項所定の居住用家屋が存しない場合において,上記賦課期日における当該土地の現況が,既存の居住用家屋の取壊し後に,その家屋の所有者であった者を建築主とし,約10か月の工事予定…
事件番号: 昭和43(行ツ)90 / 裁判年月日: 昭和48年11月16日 / 結論: 破棄自判
一、昭和三六年法律第七四号による改正前の地方税法のもとにおいても、譲渡担保による不動産の取得は、同法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたる。 二、昭和三六年法律第七四号による改正前の地方税法のもとにおいて、譲渡担保による不動産の取得につき、同法七三条の七第三号は類推適用されない。
事件番号: 昭和43(行ツ)10 / 裁判年月日: 昭和49年9月2日 / 結論: 破棄差戻
地方税法七三条の四第一項六号及び三四八条二項一二号所定の「学術の研究を目的とする」法人とは、その定款又は寄附行為の目的条項に日本学術会議法一〇条に定める区分によつて示されるような意味における人文科学及び自然科学の学理的研究並びにその応用に関する研究を行う趣旨を掲げ、かつ、その組織運営及び活動の実体からみて右研究という目…
事件番号: 昭和45(行ツ)54 / 裁判年月日: 昭和48年11月2日 / 結論: 棄却
売買契約の合意解除に基づく売主の所有権の回復は、それが合意によるものであると解除権の行使によるものであるとにかかわらず、地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたると解すべきである。