1 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて,共同訴訟人の一人が上告を提起した後に他の共同訴訟人が提起した上告は,二重上告として不適法である。 2 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて,共同訴訟人の一人が上告受理の申立てをした後に他の共同訴訟人がした上告受理の申立ては,二重上告受理の申立てとして不適法である。
1 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告を提起した後にされた他の共同訴訟人による上告の適否 2 数人の提起する養子縁組無効の訴えにおいて共同訴訟人の一人が上告受理の申立てをした後にされた他の共同訴訟人による上告受理の申立ての適否
(1,2につき)民訴法40条1項,民訴法142条,民訴法297条,民訴法313条,人事訴訟法2条3号 (2につき)民訴法318条5項
判旨
数人の提起する養子縁組無効の訴えは類似必要的共同訴訟であり、既に共同訴訟人の一人が上告及び上告受理申立てを行っている場合、他の共同訴訟人による重ねての上告等は二重上告等として不適法となる。
問題の所在(論点)
数人が提起する養子縁組無効の訴えの法的性質、及び既に共同訴訟人の一人が上告等を行っている場合に、他の共同訴訟人が重ねて行う上告等の適法性。
規範
1.数人の提起する養子縁組無効の訴え(人事訴訟)の性質は、類似必要的共同訴訟と解される。2.共同訴訟人の一人が既に行った上告または上告受理申立ての効力は、他の共同訴訟人全員に及ぶ。そのため、他の共同訴訟人が別途同一の申立てを行うことは、二重上告(または二重上告受理申立て)に該当し、不適法となる。
重要事実
上告人兼申立人(以下「上告人」)を含む数人が、本件養子縁組無効の訴えを提起した。上告人が本件上告及び上告受理申立てを行うより前に、既に共同訴訟人である他の当事者(X2)が、同一の訴えについて上告及び上告受理申立てをしていた。
事件番号: 昭和43(オ)723 / 裁判年月日: 昭和43年12月20日 / 結論: 棄却
養親の実子は、養親死亡後養子を相手方として養子縁組無効の訴を提起する訴の利益を有する。
あてはめ
養子縁組無効の訴えは類似必要的共同訴訟である。本件において、上告人が上告等を行った時点では、既に共同訴訟人X2によって同一内容の上告及び上告受理申立てがなされていた。類似必要的共同訴訟においては、一人の上告により訴訟全体が上訴審に移行し、判決の一面的な確定が阻止される。したがって、上告人による後続の上告等は、既に有効に継続している上訴手続と重複するものであり、二重上告等にあたる。よって、当該上告等は手続上不適法であると評価される。
結論
本件上告を却下し、本件を上告審として受理しない。
実務上の射程
人事訴訟における共同訴訟の性質が類似必要的共同訴訟であることを前提に、二重上訴の禁止を適用した事例である。実務上、共同訴訟人全員で上訴する場合でも、一人の上訴で全員に効力が及ぶため、他の者が個別に行う上訴の適法性に注意を要する。
事件番号: 昭和26(オ)887 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告の理由が最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律所定の事由に該当せず、法令の解釈に関する重要な主張も含まない場合は、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:判決文からは具体的な事件の事実は不明であるが、上告人が原判決を不服として最高裁判所に対し上告を提起した事案である。 第2…
事件番号: 昭和59(オ)236 / 裁判年月日: 昭和63年3月1日 / 結論: 棄却
第三者の提起する養子縁組無効の訴えは、養子縁組が無効であることによりその者が自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けないときは、訴えの利益を欠く。
事件番号: 昭和23(オ)85 / 裁判年月日: 昭和23年12月23日 / 結論: 棄却
一 旧民法第八五一条第一号(新民法第八〇二条第一号)にいわゆる「当事者間に縁組をする意思がないとき」とは、当事者間において真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないと…
事件番号: 昭和40(オ)813 / 裁判年月日: 昭和41年1月21日 / 結論: 棄却
養子縁組事件においても、当事者が自白すれば、裁判所は、自由心証によつて真実であるかどうかを判断し、真実と認めれば、これを事実認定の資料とすることを妨げられるものではない。