1 公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置は,あらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合であっても,当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえるときは,自動公衆送信装置に当たる。 2 公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置が,公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており,これに継続的に情報が入力されている場合には,当該装置に情報を入力する者が送信の主体である。
1 公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置が単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合に,当該装置は自動公衆送信装置に当たるか 2 公衆の用に供されている電気通信回線に接続することにより,当該装置に入力される情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置が,公衆の用に供されている電気通信回線に接続しており,これに継続的に情報が入力されている場合における送信の主体
(1,2につき)著作権法2条1項7号の2,著作権法2条1項9号の4,著作権法2条1項9号の5,著作権法2条5項,著作権法23条1項,著作権法99条の2
判旨
送信可能化および公衆送信の主体は、装置が受信者の求めに応じ情報を自動送信できる状態を作り出す者であり、本件ではベースステーションを管理し放送を入力するサービス提供者が主体となる。また、装置が1対1の送信機能しか有しない場合でも、不特定の利用者に提供されているならば、当該装置は自動公衆送信装置に当たり、その送信は公衆送信に該当する。
問題の所在(論点)
1. 1対1の送信を行う機器が「自動公衆送信装置」に該当するか。 2. 機器自体は利用者の所有物である場合に、送信の主体は誰か。 3. 本件サービスの提供行為が送信可能化権(99条の2)および公衆送信権(23条1項)を侵害するか。
規範
1. 送信の主体の判断:装置が受信者の求めに応じ情報を自動的に送信できる状態を作り出す行為を行う者を主体と解すべきであり、装置が電気通信回線に接続され情報が継続的に入力されている場合は、当該装置に情報を入力する者が主体となる。 2. 自動公衆送信装置の意義:あらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能(1対1送信)しか有しない装置であっても、当該装置を用いて行われる送信が「公衆」に対するものであるといえるときは、自動公衆送信装置(著作権法2条1項9号の5)に当たる。
事件番号: 平成21(受)788 / 裁判年月日: 平成23年1月20日 / 結論: 破棄差戻
放送番組等の複製物を取得することを可能にするサービスにおいて,サービスを提供する者が,その管理,支配下において,テレビアンテナで受信した放送を複製の機能を有する機器に入力していて,当該機器に録画の指示がされると放送番組等の複製が自動的に行われる場合,その録画の指示を当該サービスの利用者がするものであっても,当該サービス…
重要事実
被上告人は、利用者が所有するロケーションフリーの「ベースステーション」を自社内に設置し、テレビアンテナに接続して放送を継続的に入力し、インターネットを介して利用者が手元の端末で視聴できる「まねきTV」サービスを提供した。ベースステーションは、利用者ごとに1対1で対応する機器であった。
あてはめ
1. 被上告人はベースステーションを自ら管理するアンテナに接続し、放送が継続的に入力される設定を行っているため、送信の主体は被上告人である。 2. 被上告人は、契約を締結すれば何人も利用可能な形でサービスを提供しており、送信の主体である被上告人から見て利用者は不特定の「公衆」に当たる。 3. したがって、たとえ1対1の送信形式であっても、公衆に対する送信を実現するものである以上、ベースステーションは自動公衆送信装置に該当する。
結論
被上告人がベースステーションに本件放送を入力する行為は送信可能化に当たり、本件番組を送信することは公衆送信に当たるため、送信可能化権および公衆送信権の侵害が成立する。原審の判断を破棄し差し戻す。
実務上の射程
物理的な機器が1対1の対応関係にあっても、サービス全体として不特定多数に提供されていれば「公衆」への送信とみなされる。クラウドサービスや転送サービスにおける著作権侵害の主体性を判断するリーディングケースであり、実質的な管理・支配の所在から主体を特定する手法(いわゆる規範的利用主体論的なアプローチ)を示す。
事件番号: 昭和59(オ)1204 / 裁判年月日: 昭和63年3月15日 / 結論: その他
スナック等の経営者が、カラオケ装置と音楽著作物たる楽曲の録音されたカラオケテープとを備え置き、客に歌唱を勧め、客の選択した曲目のカラオケテープの再生による伴奏により他の客の面前で歌唱させるなどし、もつて店の雰囲気作りをし、客の来集を図つて利益をあげることを意図しているときは、右経営者は、当該音楽著作物の著作権者の許諾を…
事件番号: 平成12(受)222 / 裁判年月日: 平成13年3月2日 / 結論: その他
カラオケ装置のリース業者は,カラオケ装置のリース契約を締結した場合において,当該装置が専ら音楽著作物を上映し又は演奏して公衆に直接見せ又は聞かせるために使用されるものであるときは,リース契約の相手方に対し,当該音楽著作物の著作権者との間で著作物使用許諾契約を締結すべきことを告知するだけでなく,上記相手方が当該著作権者と…
事件番号: 平成21(受)602 / 裁判年月日: 平成23年12月8日 / 結論: その他
1 我が国について既に効力を生じている文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約に我が国が国家として承認していない国が事後に加入した場合において,我が国が同国との間で同条約に基づく権利義務は発生しないという立場を採っているときは,同国の国民の著作物である映画は,同国が上記条約に加入したことによって,著作権法6条3号…
事件番号: 平成13(受)216 / 裁判年月日: 平成15年4月11日 / 結論: 破棄差戻
いわゆる観光ビザにより我が国に滞在した外国人であるデザイナー甲が,アニメーション等の企画,撮影等を業とする株式会社乙の従業員宅に居住し,その事務所で作業を行い,乙から毎月基本給名目で一定額の金銭の支払を受けて給料支払明細書も受領し,乙の企画したアニメーション等に使用するものとして図画を作成したなど判示の事実関係の下にお…