証券取引法施行令(平成18年政令第377号による改正前のもの)7条5項4号,発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成18年内閣府令第86号による改正前のもの)3条の2の4第1項及び第2項所定の「株券等」には,特定買付け等(同施行令7条5項にいうもの)の対象とならない株券等は含まれない。 (補足意見がある。)
証券取引法施行令(平成18年政令第377号による改正前のもの)7条5項4号,発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成18年内閣府令第86号による改正前のもの)3条の2の4第1項及び第2項所定の「株券等」に,特定買付け等(同施行令7条5項にいうもの)の対象とならない株券等は含まれるか
証券取引法(平成18年法律第65号による改正前のもの)27条の2第1項ただし書6号,証券取引法施行令(平成18年政令第377号による改正前のもの)7条5項4号,発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成18年内閣府令第86号による改正前のもの)3条の2の4第1項,発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成18年内閣府令第86号による改正前のもの)3条の2の4第2項,金融商品取引法27条の2第1項ただし書,金融商品取引法施行令6条の2第1項7号,発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令2条の5第1項,発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令2条の5第2項
判旨
公開買付け規制の例外要件である「株券等の所有者が25名未満」かつ「全所有者の同意」における「株券等」とは、買付けの対象とする特定の種類の株券等のみを指し、対象外の種類の株券等は含まない。したがって、特定の種類株式のみを相対で買い付ける際、その種類株主全員の同意があれば、普通株主の売却機会を保障するための公開買付けは不要である。
問題の所在(論点)
公開買付けを免除される要件(25名未満要件および同意要件)の判断基礎となる「株券等」に、買付け対象外の種類株式に係る株券等も含まれるか。また、対象外の株主の同意がない買付けが不法行為上の違法性を有するか。
規範
旧証取法27条の2第1項、施行令7条5項4号、他社株府令3条の2の4第1項及び2項にいう「株券等」とは、買付け等の対象としようとする特定の種類の株券等のみを意味する。事業再編の迅速化・簡素化という制度趣旨に鑑みれば、買付け対象外の種類の株券等を含めて所有者数や同意の有無を判断すべきではなく、対象となる種類の株主において売却機会の保障を不要とする合意がある限り、公開買付けによらない買付けが認められる。
重要事実
上告人は、A社の発行するC種類株式(議決権あり、普通株式への転換可)の全保有者(2名)から、公開買付けによらず相対で当該株式を買い付けた(本件各買付け)。一方で、A社には多数の普通株主(被上告人を含む)が存在しており、買付けに際して普通株主の同意は得ていなかった。普通株主である被上告人は、本件買付けが公開買付けによらなかったことは違法であり、自身の普通株式を売却する機会を逸したとして、不法行為に基づき損害賠償を請求した。
あてはめ
本件各買付けにおいて、対象とされたのはC種類株式のみであり、その所有者は2名(B及びC)に限られていた。上告人は、この2名全員から公開買付けによらないことへの同意を得ている。25名未満要件および同意要件を判断する際の「株券等」に対象外の普通株式を含める必要はないため、本件買付けは法令の定める例外要件を充足している。したがって、公開買付けを実施しなかったことに証取法上の違法はなく、普通株主である被上告人との関係でも不法行為を構成しない。
結論
本件各買付けは公開買付けによる必要がなく、違法性は認められないため、被上告人の損害賠償請求は棄却される。
実務上の射程
種類株式発行会社における経営権取得や事業再編に際し、特定の種類株式(特に拒否権付株式や転換予約権付株式)のみをピンポイントで取得する場合の公開買付け規制の射程を画定した。答案上は、公開買付け規制の趣旨(売却機会の平等・情報の開示)と、事業再編の機動性確保という政策的要請の調和として論述する。現行の金融商品取引法下でも、3分の2以上の議決権を確保する場合等を除き、同様の枠組みが維持されている点に留意が必要である。
事件番号: 平成21(受)1177 / 裁判年月日: 平成23年9月13日 / 結論: その他
1 有価証券報告書等に虚偽の記載がされている上場株式を取引所市場において取得した投資者が当該虚偽記載がなければこれを取得することはなかったとみるべき場合,上記投資者に生じた当該虚偽記載と相当因果関係のある損害の額は,上記投資者が,当該虚偽記載の公表後,上記株式を取引所市場において処分したときはその取得価額と処分価額との…