店舗型性風俗特殊営業の規制に係る改正規定の施行に関し,いわゆる既存業者の営んでいる営業について改正規定を適用しないことが憲法14条1項,22条1項に違反するとの主張が,原判決の結論に影響を及ぼさない違憲の主張であるとされた事例
憲法14条1項,憲法22条1項,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条6項2号,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律28条1項,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律28条3項,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律49条5号,大阪府風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例9条1号
判旨
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律において、既存業者を規制対象外とする経過措置が仮に不合理な差別に当たったとしても、新規業者に対する規制自体の合憲性が否定されるわけではなく、結論として憲法14条1項および22条1項に違反しない。
問題の所在(論点)
改正風営法における店舗型性風俗特殊営業の規制について、既存業者を適用除外とし、新規業者のみを規制の対象とする経過措置の有無が、新規業者に対する規制の合憲性(憲法14条1項、22条1項)に影響を及ぼすか。
規範
特定の規制において既存業者を対象外とする区別が、仮に憲法14条1項の保障する法の下の平等に照らして不合理な差別に当たる可能性がある場合であっても、そのことのみをもって、本来の規制対象である新規業者に対する規制自体が直ちに違憲となり、許されなくなるものではない。
重要事実
被告人は、店舗型性風俗特殊営業の規制に係る改正規定に基づき、新規業者として規制の対象となった。被告人側は、既存業者には改正規定を適用せず営業を継続させる一方で、新規業者のみを規制対象とすることは、合理的根拠を欠く差別的扱いであり、憲法14条1項および22条1項に違反すると主張して上告した。
あてはめ
本件における既存業者と新規業者の区別が仮に不合理な差別に該当するとしても、それは経過措置の適否の問題に留まる。本来の目的である店舗型性風俗特殊営業の適正化のために新規業者を規制すること自体は、公共の福祉に基づく合理的な制約としての性質を失わない。したがって、既存業者が優遇されていることを理由に、新規業者に対する規制そのものが違憲であると主張することは、判決の結論に影響を及ぼす有効な違憲主張とはいえない。
結論
本件の規制は憲法14条1項および22条1項に違反せず、上告を棄却する。
実務上の射程
法改正に伴う経過措置(既得権保護)の妥当性が争われる場面で、規制を受ける側の「平等権違反」という論理が、規制自体の効力を否定する根拠にはなりにくいことを示す射程を持つ。答案上は、制度の合理性を検討する文脈で、区別の存在が直ちに規制全体の違憲性に直結しないことを指摘する際に活用できる。
事件番号: 平成4(行ツ)109 / 裁判年月日: 平成6年9月27日 / 結論: 棄却
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律四条二項二号及び風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令六条二号を受けて制定された風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例(昭和五九年神奈川県条例第四四号)三条一項三号所定の診療所等の施設を設置する者が、同号所定の風俗営業制限地域内において風俗営業…
事件番号: 昭和43(あ)354 / 裁判年月日: 昭和44年3月24日 / 結論: 棄却
営業所内の一部を間仕切してその部分で営業を廃止した場合であつても、残存の営業に充てられる部分の構造設備との相関関係から何らかの構造設備上の変更を生ずることを免かれえないのであつて、風俗営業等取締法施行条例(昭和三九年福井県条例第三九号)一二条にいう「構造設備の変更」に当たると解すべきである。
事件番号: 昭和44(あ)57 / 裁判年月日: 昭和44年10月17日 / 結論: 棄却
風俗営業等取締法八条は、憲法三一条、三七条に違反しない。