刑訴法三二一条一項二号の規定違憲(三七条二項違反)主張が理由なしとされた事例
憲法37条2項
判旨
売春行為者自体を処罰せず売春場所提供者のみを処罰の対象とする立法政策は憲法14条1項に違反せず、刑事訴訟法321条1項2号の規定も憲法37条2項に違反しない。
問題の所在(論点)
売春防止法において場所提供者のみを処罰対象とすることが憲法14条1項に違反するか、および刑事訴訟法321条1項2号の規定が憲法37条2項に違反するか。
規範
1. 処罰対象の範囲をどのように設定するか(売春行為者と場所提供者の区別等)は、立法府の裁量に属する立法政策の問題であり、著しく不合理でない限り憲法14条1項に違反しない。 2. 刑事訴訟法321条1項2号の規定(検察官面前調書の証拠能力)は、証人尋問権を保障した憲法37条2項に違反するものではない。
重要事実
被告人は売春を行う場所を提供して売春を助長したとして処罰されたが、これに対し弁護人は、売春行為者自体を処罰せず助長者のみを処罰することは憲法14条1項の法の下の平等に反すること、および刑事訴訟法321条1項2号の規定が不明確であり憲法37条2項に違反すること等を主張して上告した。
あてはめ
1. 憲法14条1項違反の主張について:売春行為そのものを処罰対象とせず、その場所を提供し助長した者のみを処罰の対象とするかどうかは、犯罪化の是非や処罰範囲に関する立法政策の問題である。したがって、被告人の主張はその前提を欠く。 2. 憲法37条2項違反の主張について:刑事訴訟法321条1項2号が合憲であることは、既に確立された当裁判所の判例の趣旨に照らし明らかであり、同条項が不明確であることを前提とする違憲の主張は理由がない。
結論
売春場所提供者の処罰および刑訴法321条1項2号の規定はいずれも合憲であり、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
立法政策による処罰範囲の画定が平等権に反しないこと、および伝聞例外規定(321条1項2号)の合憲性を再確認するものである。答案上では、立法裁量の広さを論じる際の根拠や、伝聞例外の合憲性を簡潔に述べる際の参照判例として活用できる。
事件番号: 昭和45(あ)220 / 裁判年月日: 昭和46年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】売春防止法12条の場所提供罪が成立するためには、犯人の占有管理する場所に売春婦が居住して売春をすることについて、犯人と売春婦との間に支配関係が存在することを要する。 第1 事案の概要:被告人が占有管理する場所において、売春婦が居住し売春を行っていた事案である。第一審および原審は、当該場所における売…