売春防止法第一二条の規定は、憲法第二二条に違反しない。
売春防止法第一二条の合憲性。
売春防止法12条,憲法22条
判旨
憲法22条が保障する職業選択の自由は無制限ではなく、公共の福祉による制限を受ける。売春を助長する行為を刑罰をもって禁止することは、個人の尊厳保持や性道徳の維持、社会の健全性の観点から公共の福祉に適う合憲な規制である。
問題の所在(論点)
売春を助長する行為を刑罰をもって禁止することが、憲法22条1項の保障する職業選択の自由を侵害し憲法に違反するか。
規範
職業の選択の自由(憲法22条1項)は無制限に認められるものではなく、公共の福祉の要請がある限りその制限を受ける。規制が、人の尊厳を保ち、社会の健全性を維持するために必要であると認められる場合には、公共の福祉に適うものとして許容される。
重要事実
被告人が売春を助長する行為を行ったとして、売春防止法違反等の罪に問われた事案。弁護人は、当該行為を刑罰をもって禁止することは憲法22条が保障する職業選択の自由を侵害するものであると主張して上告した。
あてはめ
売春を助長する行為の禁止は、個人の尊厳を保ち、性道徳を維持し、社会を健全ならしめることを目的としている。このような目的は、社会全体の利益である公共の福祉に適うものであるといえる。したがって、当該目的達成のために刑罰をもって規制することは、必要かつ合理的な制限の範囲内にあると解される。
結論
売春を助長する行為を刑罰をもって禁止することは、公共の福祉の要請に基づく合理的な制限であり、憲法22条1項に違反しない。
実務上の射程
本判決は、職業の自由に対する消極目的規制(公序良俗の維持等)の合憲性を肯定した初期の判例である。答案上は、職業の自由が公共の福祉による制限を受けることを示す一般論として引用できるが、後の薬局距離制限事件等で示された厳格な合理性の基準との関係に留意し、目的の正当性と手段の合理性を論じる際の手掛かりとして活用すべきである。
事件番号: 昭和31(あ)2440 / 裁判年月日: 昭和34年6月9日 / 結論: 棄却
論旨は職業安定法六三条二号が憲法一四条に違反すると主張する。しかし職業安定法六三条二号は職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給の適正を期するために設けられた規定であつて、この目的に背き同法条に違反するものは何人といえどもひとしくこれによつて処罰せられ、その間何等の差別もなされない。されば所論違憲の主張はその前提を欠…