売春防止法第五条は、女性のみを処罰の対象とするものではない。
売春防止法第五条の趣旨
売春防止法2条,売春防止法5条
判旨
売春防止法5条は、女性のみを処罰の対象とする規定ではないため、両性の本質的平等に反するという憲法14条違反の主張は前提を欠く。
問題の所在(論点)
売春防止法5条が女性のみを処罰対象とする規定であり、憲法14条に定める法の下の平等に違反するか。
規範
法規範が特定の性別のみを対象としているか否かは、当該条文の文言および解釈に基づいて判断される。仮に両性の本質的平等に反する差別的な取り扱いを定めている場合には憲法14条違反の問題が生じ得るが、処罰対象が性別を問わないものであれば、当該違憲主張は前提を欠くこととなる。
重要事実
被告人が売春防止法5条(勧誘等)に違反する行為を行ったとして起訴された事案において、弁護人は同条が女性のみを対象として売春の予備的行為を処罰するものであると主張した。その上で、かかる規定は両性の本質的平等に反し、法の下の平等を定める憲法14条に違反するとの上告趣意を述べた。
あてはめ
売春防止法5条の規定内容を検討するに、同条は女性のみを処罰の対象とするものではないと解される。したがって、同条が女性のみを対象としていることを前提とする憲法14条違反の主張は、その前提事実自体が認められない。
結論
売春防止法5条は憲法14条に違反しない。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は売春防止法5条の処罰対象が性別を問わないことを確認したものであり、同条の合憲性を端的に肯定している。答案上、性差別が問題となる事案において、そもそも差別が存在するかという「前提」を検討する際の参考となるが、判示自体は極めて簡潔であるため、実務的には同法の解釈に関する確定判例として引用するに留まる。
事件番号: 昭和36(あ)637 / 裁判年月日: 昭和36年7月14日 / 結論: 棄却
売春防止法第一二条の規定は、憲法第二二条に違反しない。