原審において主張判断を経ていないとされた事例
憲法14条
判旨
憲法14条違反の主張が原審でなされていない場合や、憲法36条違反の主張が実質的に量刑不当をいうものである場合は、適法な上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
原審で判断されていない憲法違反の主張や、実質的に量刑不当を目的とした憲法違反の主張が、刑訴法405条の上告理由として認められるか。
規範
刑事訴訟法405条に規定される上告理由として、憲法違反を主張する場合であっても、原審において主張および判断を経ていない事項や、実刑の程度が重すぎるという実質的な量刑不当の主張は、同条の上告理由として認められない。
重要事実
被告人が、原審(控訴審)において主張および判断がなされていない憲法14条(平等権)違反、および実質的には量刑不当を主張するものである憲法36条(拷問・残虐刑の禁止)違反を理由として最高裁判所に上告を申し立てた事案。
あてはめ
本件における憲法14条違反の主張は、記録上、原審で争点とされず判断もなされていない。また、憲法36条違反の主張はその内容が実刑の重さを争う量刑不当の主張に留まっており、憲法問題の適法な提起とはいえない。したがって、いずれも刑事訴訟法405条が定める限定的な上告理由を具備するものとは評価できない。
結論
本件上告は不適法として棄却される。
実務上の射程
上告趣意書の作成において、憲法違反を形式的に主張しても、それが原審で現れていない新事由であったり、実質的に量刑不当をいうものであれば上告理由として排斥されることを示す。実務上、上告審の厳格な構造を確認する際の根拠となる。
事件番号: 昭和37(あ)3013 / 裁判年月日: 昭和39年6月1日 / 結論: 棄却
所論は、原判決は被告人の昭和三四年六月下旬頃から同三五年五月初旬頃までの管理売春の所為につき、これを一罪として一個の刑を科しているけれども、被告人には昭和三四年九月一九日宣告同年一〇月七日確定の道路交通取締法違反による罰金三、〇〇〇円及び昭和三五年一月二八日宣告同年二月一七日確定の同法違反による罰金四、〇〇〇円の二個の…