営業所内の一部を間仕切してその部分で営業を廃止した場合であつても、残存の営業に充てられる部分の構造設備との相関関係から何らかの構造設備上の変更を生ずることを免かれえないのであつて、風俗営業等取締法施行条例(昭和三九年福井県条例第三九号)一二条にいう「構造設備の変更」に当たると解すべきである。
営業の一部廃止と風俗営業等取締法施行条例(昭和三九年福井県条例三九号)一二条にいう「営業所の構造設備の変更」
風俗営業等取締法1条,風俗営業等取締法3条,風俗営業等取締法7条2項,風俗営業等取締法施行条例(昭和39年福井県条例39号)12条
判旨
営業の一部を廃止する場合であっても、構造設備上何らかの変更が生じる以上は、条例にいう「変更をしようとするとき」に該当する。したがって、一部廃止に伴う構造の改変についても、事前の届出や許可等の手続を要すると解するのが相当である。
問題の所在(論点)
営業の一部廃止に伴い構造設備に変化が生じる場合、それが条例上の「構造設備の変更」に該当し、所定の手続を要するか。
規範
営業の一部廃止であっても、その廃止部分と残存部分の相関関係から、営業所の構造設備上に物理的・機能的な変化が生じる場合には、法令や条例に規定される「(構造設備の)変更」に該当する。
重要事実
被告人が、営業の一部を廃止しようとした際、本件条例12条が規定する「変更をしようとするとき」に該当するか否かが争点となった。被告人側は、一部廃止は「変更」に含まれないと主張して上告した。
事件番号: 昭和50(あ)24 / 裁判年月日: 昭和53年6月16日 / 結論: 破棄自判
個室付浴場業(いわゆるトルコぶろ営業)の規制を主たる動機、目的とする知事の本件児童遊園設置認可処分(判文参照)は、行政権の濫用に相当する違法性があり、個室付浴場業を規制しうる効力を有しない。
あてはめ
営業の一部を廃止する場合、廃止される部分と残存して営業に供される部分の構造設備には必ず相関関係が認められる。そのため、一部廃止によって営業所の構造設備に何らかの物理的な変更が生じることは免れえない。このような構造上の変化は、条例が規制対象とする「変更」の実体を有しているといえる。
結論
営業の一部廃止に伴う構造の変化は、条例12条の「変更をしようとするとき」に該当する。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
行政上の許可・届出を要する「構造設備の変更」の概念を広く捉え、一部廃止であっても構造の変化を伴う限り規制の網を及ぼす実務的な解釈を示した点に意義がある。答案上は、許可要件の「変更」の解釈において、実質的に設備の相関関係から変化が生じているかという視点で活用できる。
事件番号: 昭和54(あ)1289 / 裁判年月日: 昭和55年12月9日 / 結論: 棄却
昭和三九年長崎県条例第六一号風俗営業等取締法施行条例二四条四号が明確性を欠き憲法三一条に違反するとの主張は、被告会社の従業員がした本件所為が右規定にいう「卑わいな行為」にあたることは明らかであり、右規定は本件に適用される限りにおいては明確性を欠くとはいえないから、前提を欠く。
事件番号: 昭和55(あ)862 / 裁判年月日: 昭和55年12月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】条例が禁止する「卑わいな行為」という規定は、当該事件の具体的行為に適用される限りにおいて、憲法31条が要求する刑罰法規の明確性の原則に違反しない。 第1 事案の概要:被告人らが長崎県条例(風俗営業等取締法施行条例)24条が禁止する「卑わいな行為」に該当する行為を行ったとして起訴された事案である。被…
事件番号: 平成19(あ)1706 / 裁判年月日: 平成21年9月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律において、既存業者を規制対象外とする経過措置が仮に不合理な差別に当たったとしても、新規業者に対する規制自体の合憲性が否定されるわけではなく、結論として憲法14条1項および22条1項に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は、店舗型性風俗特殊営業の規制に…