死刑の量刑が維持された事例(医師ら生き埋め強盗殺人等事件)
判旨
死刑の適用は、犯罪の性質、動機、態様、特に殺害の方法の執拗性・残虐性、結果の重大性、特に殺害された被害者の数、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等、併せて考察し、その罪責が誠に重大であって、罪刑の均衡の観点からも、一般予防の観点からも、死刑の選択がやむを得ないと認められる場合に許される(永山基準)。
問題の所在(論点)
死刑の適用基準(刑法11条、憲法11条・13条)および死刑選択の許容性。
規範
死刑の選択は、憲法11条、13条に照らし、犯罪の性質、動機、態様(殺害方法の執拗性・残虐性)、結果の重大性(殺害された被害者数)、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状を総合的に考慮し、その罪責が極めて重大で、均衡および一般予防の観点からやむを得ない場合に限られる。
重要事実
被告人は、他人の財産を奪う目的で強盗を計画し、銃火器を準備した上で、4人を射殺するに至った。犯行態様は至近距離から頭部を撃ち抜くなど冷酷かつ残虐であり、4名の尊い生命が失われた結果は極めて重大である。犯行後の情状としても、逃走を続け、さらなる犯罪を重ねるなど、反省の態度は見られない。
あてはめ
まず、動機は利欲的で、態様も銃器を用いた執拗かつ残虐なものである。次に、4名の生命を奪った結果は、被害者数に照らして極めて重大といえる。また、遺族の処罰感情も峻烈であり、社会に与えた不安・影響も甚大である。被告人の若年性や成育環境等の情状を考慮しても、その罪責は誠に重大であり、極刑を回避すべき決定的な事情は見当たらない。
結論
本件における被告人の罪責は誠に重大であり、死刑を選択した第一審判決を維持し、控訴を棄却した原判決は正当である。
事件番号: 平成16(あ)1687 / 裁判年月日: 平成19年9月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑制度は憲法13条、31条、36条に違反しない。また、複数の被害者を殺傷した強盗致死等の事案において、殺意の有無、動機、犯行態様の残虐性、結果の重大性を総合考慮し、死刑の選択を是認した。 第1 事案の概要:暴力団関係の紛議等を契機として、被告人は共犯者と共謀し、(1)男性1名を河川に投げ込んで溺…
実務上の射程
多数の被害者を生じた凶悪犯罪において、死刑選択の判断枠組み(いわゆる永山基準)を確立したリーディングケース。以降の死刑適用の実務において最も重要な指針となっている。
事件番号: 平成5(あ)570 / 裁判年月日: 平成9年12月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑制度は憲法36条に違反せず、極めて悪質な罪質や残虐な犯行態様、重大な結果等の諸事情に照らし、死刑の科刑を是認した原判決は正当である。 第1 事案の概要:元警察官の被告人が、在職中の拳銃窃盗・強盗致傷事件等による服役を終え、仮出獄からわずか5日後に本件に及んだ。被告人は派出所の警察官を包丁で多数…
事件番号: 昭和62(あ)498 / 裁判年月日: 平成2年4月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の選択に当たっては、罪質、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等を総合的に考慮し、その責任が極めて重大で、罪刑均衡及び一般予防の観点からやむを得ない場合に許される。 第1 事案の概要:被告人は米軍基地内で窃取した拳銃を使用し、約1か月間に東京、京…
事件番号: 昭和56(あ)1505 / 裁判年月日: 昭和58年7月8日 / 結論: 破棄差戻
一 死刑制度を存置する現行法制の下では、犯行の罪質、動機、態様ことに殺害の手段方法の執拗性・残虐性、結果の重大性ことに殺害された被害者の数、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等各般の情状を併せ考察したとき、その罪責が誠に重大であつて、罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむをえないと…
事件番号: 昭和63(あ)352 / 裁判年月日: 平成6年1月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の選択に際しては、犯行の罪質、動機、態様、とりわけ殺害された被害者数の多さや結果の重大性、遺族の処罰感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等を併せ考察し、罪責が極めて重大であって罪刑の均衡、一般予防の観点からもやむを得ないと認められる場合に許される。 第1 事案の概要:被告人は、昭和…