宗教法人の規則は,財産の処分に関する事項を明示的に定めた規定が存在しない場合であっても,それだけでは宗教法人法12条1項8号に違反するとはいえない。
宗教法人の規則で財産の処分に関する事項を明示的に定めた規定が存在しないものは宗教法人法12条1項8号に違反するか
宗教法人法12条1項8号,宗教法人法14条1項,宗教法人法28条1項1号
判旨
宗教法人の規則において、財産の処分に関する事項が明示的に定められていない場合であっても、宗教法人法23条等が不当な処分を防止する仕組みを設けていることから、直ちに同法12条1項8号違反とはならず、規則変更の認証を拒むことはできない。
問題の所在(論点)
宗教法人の規則において、基本財産等の処分に関する事項を明示的に規定していないことが、法12条1項8号(財務に関する事項の記載)に違反し、法28条1項1号に掲げる認証要件を欠く事由となるか。
規範
宗教法人法12条1項8号にいう「基本財産等の設定、管理及び処分」は「財務に関する事項」の例示であり、規則への記載が望ましいものの、必須の記載事項とまではいえない。法は23条及び24条等において、規則に別段の定めがない場合の手続や公告義務を定めて不当な処分を防止する仕組みを予定しているため、財産処分に関する明示的な規定を欠くことのみをもって、規則が同号に違反し認証要件を欠くことにはならない。
重要事実
宗教法人Aは、包括法人Bとの被包括関係を廃止するため規則変更を決議し、特定の財産処分等に統理の承認を要する旨の旧規則規定を削除した。石川県知事はこの規則変更を認証したが、文部科学大臣は、財産処分に関する明示的な規定を欠く新規則は法12条1項8号に違反し、法28条1項1号の認証要件を備えないとして、第三者からの審査請求に基づき認証を取り消す裁決をした。Aの責任役員らが裁決の取消しを求めて提訴した。
あてはめ
法12条1項8号の文理上、財産の処分は財務事項の一例示にすぎない。また、法23条は、規則に定めがない場合の意思決定(責任役員の過半数)や公告義務を定めており、法自体が財産処分の明示規定を持たない法人の存在を予定しつつ、その財産保全を図っている。本件の新規則は、財産処分に関する具体的な手続規定を欠くものの、法23条等の適用により不当な処分は防止され得るから、同号の要求を満たさないものとはいえない。したがって、規定の欠如のみを理由に違法とした裁決は誤りである。
結論
本件裁決は違法であり、取り消されるべきである。規則に財産処分の明示規定がないことのみをもって、法12条1項8号違反とすることはできない。
実務上の射程
宗教法人の規則変更認証における法形式的な適法性審査の限界を示したもの。特に法12条1項各号の記載事項の解釈において、法が補足的な手続規定(23条等)を置いている場合は、規則に明示がなくても法の規定により補充されるため、認証を拒否する理由にはならないという枠組みとして活用できる。
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