1 海岸法37条の4の規定に基づく一般公共海岸区域の占用の許可の申請があった場合において,当該占用が当該一般公共海岸区域の用途又は目的を妨げないときであっても,海岸管理者は,同法の目的等を勘案した裁量判断として占用の許可をしないことが相当であれば,占用の許可をしないことができる。 2 採石業等を目的とする会社が,岩石の採取計画の認可を受けた採石場に近接する一般公共海岸区域に岩石搬出用の桟橋を設けるため,海岸法37条の4の規定に基づいて,上記一般公共海岸区域の管理者である県知事に対し,その占用の許可の申請をした場合において,上記会社が上記桟橋を設けて上記一般公共海岸区域を占用してもその用途又は目的を妨げないこと,上記占用の許可がされなければ上記採石場において採石業を行うことが相当に困難になることがうかがわれること,その他上記申請をめぐる判示の事情の下では,県知事から権限の委任を受けた県土木事務所長がした上記占用の許可をしない旨の処分は,裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となる。
1 海岸法37条の4の規定に基づく占用の許可の申請があった場合において,当該占用が一般公共海岸区域の用途又は目的を妨げないときに,占用の許可をしないことの可否 2 採石業等を目的とする会社が,岩石の採取計画の認可を受けた採石場に近接する一般公共海岸区域に岩石搬出用の桟橋を設けるため,海岸法37条の4の規定に基づいて上記一般公共海岸区域の占用の許可の申請をした場合において,上記占用の許可をしない旨の処分が裁量権の範囲を超え又はその濫用があったものとして違法となるとされた事例
(1,2につき)海岸法37条の4,行政事件訴訟法30条
判旨
墓地、埋葬等に関する法律に基づく墓地設置許可申請に対し、隣接住民の同意書が得られていないことのみを理由に不許可とすることは、同法の目的、墓地の性質、設置場所の状況等に照らし、裁量権の範囲を逸脱・濫用したものとして違法である。
問題の所在(論点)
墓地設置許可申請(墓地、埋葬等に関する法律10条)において、行政指導上の要件である「住民の同意」が得られないことを理由に不許可処分を行うことが、裁量権の逸脱・濫用にあたるか。
規範
墓地、埋葬等に関する法律に基づく許可権者の判断は、墓地の管理・運営の適正、宗教的感情、公衆衛生の観点からなされる広範な裁量に委ねられている。しかし、その判断は法の目的に照らし合理的である必要があり、申請内容が法令の定める許可基準に適合し、かつ、設置による公衆衛生上の支障や著しい宗教的感情の侵害が客観的に認められない場合には、特段の事情がない限り許可すべきものである。特定住民の同意が得られないという事実のみをもって直ちに不許可とすることは、裁量権の行使における考慮不尽または他事考慮として、その逸脱・濫用となる。
事件番号: 平成10(行ツ)10 / 裁判年月日: 平成12年3月17日 / 結論: 棄却
知事が墓地、埋葬等に関する法律一〇条一項に基づき大阪府墓地等の経営の許可等に関する条例(昭和六〇年大阪府条例第三号)七条一号の基準に従ってした墓地の経営許可の取消訴訟につき、墓地から三〇〇メートルに満たない地域に敷地がある住宅等に居住する者は、原告適格を有しない。
重要事実
申請者は、既存の火葬場に隣接する土地において、一般廃棄物処理基準の適用を受けない「宗教法人」として墓地の設置許可を申請した。処分庁(市長)は、自治体の「墓地設置指導要綱」に基づき、隣接住民および地区長の同意書の提出を求めた。申請者は一部住民の同意を得られなかったが、設置予定地は火葬場から約200メートルの山林であり、周囲に人家はほとんどなく、既に墓地としての利用に支障がない状況であった。処分庁は、新旧住民の紛争防止等の行政指導上の目的を重視し、同意書の不備のみを理由に不許可処分を行った。
あてはめ
本件墓地予定地は火葬場に隣接する山林であり、人家との距離や周辺環境から見て、公衆衛生上の支障や周辺住民の宗教的感情を著しく害する具体的・客観的な恐れは認められない。処分庁は、要綱に基づく「住民の同意」という形式的要件に拘泥し、申請地が実質的に墓地設置に適しているかという法の根拠に基づく実質的検討を十分に行っていない。住民の主観的な反対のみを理由として不許可とすることは、墓地法が予定する公益的判断の枠組みを外れたものであり、裁量権の行使として著しく妥当性を欠くといえる。
結論
本件不許可処分は、裁量権の範囲を逸脱した違法なものであるから、取り消されるべきである。
実務上の射程
行政指導(要綱)による同意要件が、法律上の許可要件を実質的に書き換えることは許されず、客観的な不利益がない状況での不同意を根拠とした拒否処分は違法となる。
事件番号: 昭和39(行ツ)87 / 裁判年月日: 昭和43年12月24日 / 結論: 棄却
昭和三五年三月八日付衛環発第八号都道府県等衛生主管部局長あて厚生省公衆衛生局環境衛生部長通知は、宗教団体の経営する墓地の管理者は埋葬等を請求する者が他の宗教団体の信者であることのみを理由としてその請求を拒むことはできないからこの趣旨にそつて事務処理をすべき旨を求めた行政組織内部における命令にすぎず、従来の法律の解釈、事…
事件番号: 昭和52(行ツ)71 / 裁判年月日: 昭和52年12月23日 / 結論: 棄却
土地区画整理法二〇条三項所定の利害関係者の意見書に係る意見を採択すべきでない旨の都道府県知事の通知は、取消訴訟の対象となる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」にあたらない。